◆規定投球回に到達するかどうか問題
思い起こせば、右肘のトミー・ジョン手術でリハビリ中だった2年前、大谷は打者に専念。このまま打者一本でもいいのではないかという声もあった。しかし今季は打者として調子が出ていない一方で、投手としての進化が目立っている。さすがにシーズン最後まで防御率0点台を維持するのは現実的ではないが、1点台前半なら十分あり得る話。今のペースでいけば、15勝、140投球回、180奪三振なら達成可能な数字といえるだろう。
サイ・ヤング賞には十分な数字にも思えるが、やはり「規定投球回に到達するかどうか」という議論が出てくる。大谷が相当の省エネ投球を実践し、毎試合で最低6回、時に7~8回を投げる試合がないと、規定の162イニングには達しないだろう。
◆投手としての勝利貢献度はリーグ3位に
それでも防御率1.50未満で終えることができれば、サイ・ヤング賞の有力候補になってもおかしくない。メジャーリーグでエクスパンション(球団数拡張)が始まった1961年以降の過去65年間で、140イニング以上を投げて防御率1.50未満だったのはただ1人。1968年に驚異的な1.12を叩き出したボブ・ギブソンしかいない。2位のドワイト・グッデン(1985年)が1.53なので、もし大谷が規定不足でも防御率1.50未満なら可能性はゼロではないはずだ。
実際、投手として今季はリーグ3位の活躍を見せている。勝利への貢献度を示すWAR(Fangraphs版、以下fWAR)はナ・リーグ3位で、大本命のポール・スキーンズを上回っている。
【ナ・リーグ投手fWARランキング、21日現在】
1位:2.5:クリストファー・サンチェス(フィリーズ)
2位:2.2:ジェーコブ・ミジオロウスキー(ブルワーズ)
3位:1.8:大谷翔平(ドジャース)
4位:1.6:ポール・スキーンズ(パイレーツ)
5位:1.5:チェース・バーンズ(レッズ)

