
◆所属事務所「二件連続未払い」という悪夢
――天川そらさんは、過去に所属していた事務所で、二件連続のギャラ未払いトラブルに見舞われたそうですね。天川:そうなんです。セクシー女優でもギャラの未払い二件連続は私ぐらいですよね(笑)。一件目は数百万円のギャラ未払いがあり、社長がギャンブルにつぎ込んでいたようで、結局支払われなかったんです。そして二件目は未払いの金額が、百数十万円くらいありました。ギャラが事務所側にストックされているので、「事務所を辞めます。今後は自分で全部処理するからギャラを払ってください。できれば一括でお願いします」って社長にずっと伝えていたんです。でも、半年くらい逃げられていました。ギャラを事務所が持っている限り、「待って、待って」と、ずっと引き延ばされる感じでしたね。結局最後まできちんと対応してもらえませんでした。
――最初の未払いを経験し、次の事務所にはどうやって入所したんですか?
天川:前の事務所を辞めてから、セクシー女優の活動をこのまま続けていくか躊躇していたんですけど、働かないと食べていけないので、当時信頼していた方の紹介で、次の事務所に入りました。
――支払い形態はどのような形でしたか?
天川:作品を撮ったメーカーから、一旦ギャラの全額が事務所に支払われるんです。そこから事務所が、私に支払うんです。それで月に何本も撮影しているのに、ギャラが支払われない状態が続いたので、請求したら遅延が続いていたんです。
――遅延の原因は何だったんですか?
天川:それが、実際のところは不明なんです。ただ、当時の社長が前身の事務所を買い取ったらしくて、その支払いに追われていたんじゃないかと思っています。
――その事務所には人気セクシー女優が多数在籍していましたよね。
天川:何か別の事業をやっていたのかもしれないですね。
――他の女優も未払いでしたか?
天川:私以外の女優は、支払いが終わっていたんです。社長と会うタイミングも、ほかの子たちと顔を合わせる機会も、気づけばほとんどなくなっていたんですよ。今思えば、周囲と隔離されていたというか、相談できる環境がなくなっていたんだと思います。何かあるときも、社長と2人きりで話す感じでした。未払いの事実がわかったのは、私が事務所を辞めてから1年後くらいでした。
――どういうタイミングで知ったんですか?
天川:当時の社長と接点がある人から「天川さんのギャラはどうなりましたか?」って話になり、「実は未払いがあったんだ!?」みたいな感じで知りました。
――結局、未払いはどうなりましたか?
天川:事務所の社長とは、話し合いの場を設けるところまではこぎつけたんですけど、当日になって逃げてしまって、現れなかったんです。そこからは、ずっと消息不明の状態ですね。
◆それでもセクシー女優として業界に残った理由
――そういった経験を2回もしているにもかかわらず、なぜ今もセクシー女優として活動を続けているんですか?天川:今の事務所は、もともと私のマネージャーをしていた人が代表として立ち上げた事務所なんです。私のことも一番理解してくれているし、以前の事務所では一番仕事ができた人なんです。
――信頼関係があるんですね。とはいえ、いい加減なことが続いた業界に嫌気はさしませんでしたか?
天川:その不平不満や愚痴をずっと聞いてくれていたのが、今の社長なんです(笑)。マネージャー時代から「もっと女優さんに還元されるべきだと思うんですよね」って、ずっと話してくれていたんです。私も「そうだよね」って感じで、根本的な感覚、バイブスがすごく近かったんですよね。「いや、それはさすがにおかしいでしょ」っていう感覚を、当時からちゃんと持っていた人なんです。
――今の業界は、その感覚がないと務まらないです。
天川:私も今の社長も、もともと昼間働いていた経験があるので、一般的な社会感覚というか、真っ当な価値観がベースにあったんです。「これ、おかしいよね」って思っていても、それが当たり前みたいにまかり通ってしまう業界に対して、「なんでこんなことが普通になってるんだ」「周りも見て見ぬふりをして、自浄作用はどこに行ったんだ」って、ずっと言っていたんです。そうしたら、「僕はこの業界を変えたくて頑張ります」って言ってくれたので、それを聞いて、「かっこいいな」って思ったし、その流れに私も乗っかってみようかなって思ったんです。
――そういった意味で、今後に繋がる提言はありますか?
天川:事務所には、メーカーから先にギャラが入る仕組みなので、個人で直接やり取りするのは、ほぼ不可能なんです。ただ、最近は自分で同人作品を作ったり、個人でいろいろ動いたりしている女優も一定数いて、自分でできる女優は実際いるので、信頼関係さえあれば、個人で作品を撮って売れるんです。なので、そういう多様な働き方があってもいいんじゃないのかな、とは思っています。

