経済成長率には「名目」と「実質」がある
GDPを過去の自国と比較すると、経済成長率が求められます。今年のGDPを昨年のGDPで単純に割った値のことを「名目経済成長率」と呼びます。そこから物価上昇率を差し引いた値を「実質経済成長率」と呼びます。
GDPが増えても、それが物価上昇によるものであるならば、生産量等は増えていないので、あまり意味はありません。一方で、実質経済成長率が高いということは、生産量が増えているということなので、重要です。そこで、単に「成長率」という時には実質経済成長率をさすのが普通です。
成長率が高い=「景気は回復中」
長期的に経済成長率が高いということは、国の経済規模が急激に拡大し、国民生活が豊かになっている、ということを意味します。日本の高度成長期には、20年近くにわたって高い経済成長率が続き、国民生活は大いに豊かになりました。一方で、バブル崩壊後の長期低迷期には、ゼロ成長が続いたので、国民生活のレベルは上がりませんでした。
長期の経済成長率が生活レベルを決めるものである一方で、短期の経済成長率は景気を考える際に重要です。短期的に経済成長率が高いということは、企業が生産を増やしているわけですから、企業が売り上げの増加を見込んでいるのでしょう。つまり、景気は上向いていると考えてよいわけです。
景気の予想屋たちは、来年の景気について「かなりよさそうだ」などと表現する代わりに「来年の経済成長率は〇%になると予想している」という表現をします。その方が客観的に自分の景気感を伝えられるからなのですね。
今回は、以上です。なお、本稿はわかりやすさを重視しているため、細部が厳密ではない場合があります。ご了承いただければ幸いです。
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塚崎 公義
経済評論家
