メールが届くたびに動悸が……精神的にも金銭的にも追い詰められた日々
定年後の生活を見据えていた男性にとって、この相続トラブルは大きな痛手。 「最も困ったのは、弁護士費用や裁判所への交通費など、予期せぬ多額の出費が重なったことです」とのこと。定年後の蓄えとしていた資金から、なんと150万円以上が消えてしまったそうです。

さらに「実家の維持費や固定資産税も全て私が負担しており、売るに売れない不動産が重い負債となって家計を圧迫し続けていることが最大の悩みです」と回答しています。
そして、それ以上に男性を苦しめたのは精神的なダメージ。「これまで仲の良かった兄弟が、お金を巡ってこれほどまでに豹変し、攻撃的になるのかと、人間不信に近い絶望感を味わいました」と男性。
弟からの詰問するようなメールが届くたびに動悸がし、仕事中も裁判の手続きのことが頭から離れず、「精神的に追い詰められて眠れない日々が半年以上続きました」と当時の状態を明かします。
「父が良かれと思って残してくれた実家が、家族をバラバラにする火種になったことが悲しくてなりませんでした」。
調停で法的な決着がつくも、残ったのは「負の遺産」と深い後悔
当初は親戚を介して説得を試みたものの、感情的になり逆効果だったため、男性は相続問題に強い弁護士を雇う決断を下します。客観的な不動産評価書を作成した上で調停を申し立て、第三者を交えて冷静に話し合う場を作ることに。
並行して、少しでも現金化できる道を探り、複数の不動産業者に粘り強く査定を依頼し続けたと振り返ります。調停の結果、「私がわずかな現金を弟に支払い、不動産は私が単独相続する形でようやく合意に至りました」と、法的な決着を迎えることはできたそうです。

しかし、弟との関係は完全に断絶し、父の法事も別々に行う異常事態が今も続いているとのこと。 相続した実家も買い手が見つからず、結局「『負の遺産』を背負い込んだ形になりました」と男性。「法的には解決しましたが、精神的な平穏や家族の絆を失ったことを考えると、勝利とは程遠い、非常に苦い結末となってしまいました」と悔しさを綴っています。
「父が元気なうちに、多少無理をしてでも『遺言書』を公正証書で作成してもらうよう、もっと強く働きかけるべきだったと痛感しています」と後悔する男性。親が生きているうちに相続の話をする遠慮が、結果的に最悪の事態を招いてしまったと回答しています。
「不動産は必ずしも資産ではなく、管理状況や立地によっては大きな『負債』になり得るという厳しい現実を学びました。また、金銭問題は、どんなに仲の良い人間関係も一瞬で破壊する破壊力を持っているということです」この痛烈な教訓を活かし、自身の長男には同じ苦労をさせないよう、今のうちから生前贈与や遺言書の準備を計画的に進めているそうです。
(文:ママテナ編集部マネーチーム)
※この記事は、ママテナ編集部マネーチームが2026年5月、「お金にまつわるトラブル」をテーマに実施したアンケート(インターネット回答)に寄せられたエピソードを元に作成しています。
※写真はイメージで本文とは関係ありません。
