今回取材に応じてくれたのは、地方の信用金庫に勤務する宮崎さん(仮名・33歳)。山間部への異動をきっかけに始めた車通勤で、ある日突然、悪夢のような体験をすることになったそうです。

◆片側一車線の山道が、毎日の通勤路
「最初は正直、少し不安でしたね。学生時代に免許は取ったものの、社会人になってからはほとんど乗っていなかったので」そう語るのは、今回取材に応じてくれた宮崎さん(仮名・33歳)です。地方の信用金庫に勤務する彼女は、山間部にある支店への異動をきっかけに、車での通勤がマストになったのです。
通勤ルートとして使わざるを得なかった県道は、片側一車線が続く山道。対向車が来るたびに慎重にハンドルを切り、落下物にも気を遣いながら走る必要があるという、神経がすり減るような道のりだったといいます。それでも毎日繰り返すうちに、少しずつ運転にも慣れてきた頃でしたーー。”あの日”が訪れるまでは。
◆背後に張りついた真っ赤なスポーツカー
事件が起きたのは、ある日の午後のことです。いつもどおり山道を走っていた宮崎さんの前方には、農業用の軽トラがノロノロと走っていました。「流れに乗って走っていれば、まあそこまで遅くはないんですが、その日は前方に農業用の軽トラが走っていて、自然と速度が落ちていたんです」
前の軽トラを抜かすこともできず、宮崎さんは車間距離を保ちながらついていくしかありませんでした。するとしばらくして、後方からぐんぐん追い上げてくる車があったといいます。真っ赤なスポーツタイプの車が、宮崎さんの車のすぐ背後にピタリとついたのです。
前は牛歩の軽トラ、後ろは煽ってくるスポーツカーという、まさに逃げ場のない状況。そんな事情などまったくおかまいなしに、後続車はクラクションを鳴らしながらパッシングを繰り返し、執拗に圧力をかけてきたそうです。

そう語る宮崎さんの声には、取材中もどこかおびえた響きがありました。

