
庭や玄関まわりに花を飾りたいけれど、植える場所が少ない。花壇はあるけれど、奥行きが浅くて、思うようなボリュームが出せない。そんなときに頼りになるのが、空中に花を咲かせるハンギングバスケットです。目の高さに花のボリュームが生まれることで、限られた空間にも華やかな花景色が広がります。今回は、初夏から長く楽しめるペチュニアを主役にしたハンギングバスケットの作り方を武島由美子さんに教わります。単色で丸く仕立てるタイプから、白花やリーフを合わせた寄せ植えタイプ、庭の雰囲気に合わせた色違いのバリエーションまで、素敵に見せる植物選びと配置のコツを解説します。
ハンギングバスケットで、狭い花壇に“高さ”をプラス

ハンギングバスケットの魅力は、地面を使わずに花のボリュームを足せること。奥行きの浅い花壇や、玄関脇、壁際、フェンスまわりなど、植えるスペースが限られた場所でも、壁面やスタンドを利用すれば花を立体的に楽しめます。
特に、壁際の細長い花壇では、足元の草花だけではどうしても景色が低い位置にまとまりがちです。そこにハンギングをひとつ加えると、目の高さに花のかたまりが生まれ、空間全体がぐっと華やかに。足元の花壇と、壁面のバラやつる植物との間をつなぐ“中段の花”としても活躍します。
花壇が狭いからこそ、ハンギングが効く。これは、小さな庭や玄関まわりでも取り入れやすい、立体的な花の演出です。
ペチュニアがハンギングに向く理由

ペチュニアは、ハンギングバスケットにとても向いている草花です。茎を広げながら次々に花を咲かせ、株全体がこんもりと育つため、丸くあふれるような姿に仕立てやすいのが特徴です。
花色のバリエーションが豊富なのも魅力。明るいピンクや紫、白、シックなアンティークカラー、複色のニュアンスカラーなど、庭の雰囲気に合わせて選ぶことができます。単色で植えればまとまりやすく、複数の草花と組み合わせれば、より表情豊かな寄せ植えハンギングに仕上がります。
また、切り戻しをしながら管理すれば、初夏から秋まで長く楽しめるのも嬉しいところ。5月末から作るハンギングとしても、十分に楽しめます。
まるで花のボール! 1種類で作るペチュニアハンギング

初めてペチュニアのハンギングを作るなら、まずは1種類のペチュニアだけで仕立てるのがおすすめです。同じ品種を使うことで花色や草姿がそろい、自然にまとまりのある姿になります。
写真はクリーム色にブラウンの目が入るニュアンスカラーのペチュニア‘ステファニー’。淡いイエローやピンクを含んだ花弁に、中心のブラウンがアクセントになり、ひとつの品種だけでも表情豊かなハンギングになります。
【基本の植え方】
今回作るハンギングバスケットは、壁に掛けるタイプの半円形のバスケットです。スリット式バスケットは、スリット上部から苗を通して植えるので、初心者でも作りやすいタイプ。プラスチック製で軽く、保水性や耐久性に優れており、繰り返し使用できます。
【用意するもの】

- ① ハンギングバスケット(プラスチック製スリットバスケット幅30cm)、植え込み補助用スポンジ、S字フック2つ
- ② ペチュニアの開花株18ポット
- ③ 草花用培養土
- ④ 活力剤(*)入りの水(バケツに)
- ⑤ 水苔(水で濡らしてぎゅっと絞っておく)
- ⑥ 元肥(元肥入りの培養土の場合は不要)
植え込み時に使う「活力剤」とは?

「活力剤」とは、「肥料」や「液肥」とは役割が違います。肥料は、植物が育つための栄養分を補うもの。人でいえば「ごはん」にあたります。花をたくさん咲かせたり、葉を茂らせたりする役割があります。
一方、活力剤は植物の根や株の状態を整え、植え替え後のストレスをやわらげたり、新しい根が動き出すのを助ける役割があります。
ハンギングを作るときは、ポットから苗を抜き、根鉢をほぐします。ポットの中で長く育った苗は、根が鉢の形に沿ってぐるぐる回っていたり、根鉢の外側が固く締まっていたりします。この状態のまま植えると、根が新しい土に伸び出しにくく、水を吸いにくい状態が続くことがあります。ですから、新しい土に素早く根をなじませ、植え込み後にしっかり水や養分を吸えるようにするために根をほぐすのですが、この作業は植物にとってはストレスにもなります。そのストレスダメージから素早く回復させ、植え込み後の立ち上がりをサポートしてくれるのが活力剤の役割です。
特に春から初夏へ向かうこの時期は、気温が上がり始め、苗が水切れや蒸れのダメージを受けやすくなるので、植え込み時に活力剤入りの水で根を整えておくことをおすすめします。さまざまな商品があり、希釈率なども異なるので製品ラベルをよく読んで使いましょう。
