
◆ロンドン帰りの商社マンが感じた“違和感”
山本さんは都内の商社に勤務する会社員。つい1年ほど前まで、イギリス・ロンドンに赴任していた経験があります。「ロンドンは自転車文化がかなり浸透していて、交通の一部として普通に使われています」
イギリスと日本は、左側通行や歴史的な背景など共通点も多く、親近感を覚えることも多かったといいます。ただし、交通マナーに関しては微妙な違いも感じていたそうです。
「向こうは割と自由というか、自己責任の感覚が強いんですよね」
そんな山本さんは、帰国後、久しぶりに都内を自家用車で走っていたある日、その“違い”を強く意識する出来事が起きたといいます。
◆繰り返される危険運転と募る危機感
ある日の昼下がり、青山通りを走行中、山本さんの前を一台の自転車が横切りました。信号は青。明らかな危険行為です。「え、今のタイミングで来る? って思いましたね」
さらにその後、表参道駅付近の交差点でも、同じ自転車が今度は後方から車の間を縫うようにして現れたといいます。
「一瞬で分かりました。同じ人だって。昼間は結構車が混んでいるから、自転車の方が速い時があるんですよね」
その人物は、金髪で色白の西洋人男性。どこかロンドンで見た光景と重なり、なんとなく親近感が湧いて最初は強くとがめる気にはならなかったといいます。
「まあ観光で来てるのかな、くらいの気持ちでした。しかし、青山一丁目の交差点でもまたその自転車が現れたんです。しかも、相変わらずのジグザグ運転ですり抜けていくんです」
その様子を目の当たりにした山本さんは、怒りというよりは、“危険を止めなければ”という気持ちの方が高くなり行動に移しました。

