
「手に職」の代表格として、資格取得講座でも人気の高い簿記。
ハローワークが行っている職業訓練校でも、常に定員まで人数が埋まる人気のコースです。
今回は、簿記とは何か?どういう仕事に役に立つのか?勉強する時のポイントは?など、少しでも簿記資格について基本からおさらいしていきます。
これから仕事を始めたい方は、是非参考にしてみてください!
■簿記とは?
簿記とは、簡単に言うと企業のお金や物の流れを記録する方法のことです。
一般的に簿記検定と呼ばれる試験は、主催団体の違いによって「日商」、「全商」、「全経」の三種類があります。
「日商」は日本商工会議所、「全商」は全国商業高等学校協会、「全経」は全国経理教育協会が運営していますが、求人票などに書かれている簿記資格は、特記がない限りは「日商簿記」を指しています。
ここでは社会人を対象としていて受験者数も多い「日商簿記」についてお話していきたいと思います。
日商簿記は勉強範囲により、1級から3級までに分かれています。
・3級
3級は経理の基本的な知識を問う内容で、小規模な会社の経理で使われるような商業簿記の内容が中心です。
製造業以外の一般的な企業を想定しており、物を仕入れて販売する流れを伝票や試算表に記録し、資産・負債・収益・費用の増減を把握することで決算に必要な書類を作成するための知識が学べます。
ビジネスで動くお金や用語の基本知識が身につくので、経理担当者でなくとも学んでおいて損はない資格です。学生時代に経済学部や経営学部に所属していた方は、授業の一環で取得していることも多いでしょう。
平均50時間~100時間程度の勉強時間が目安とされており、初めての方やまとまった時間が取れない方でも、1ヶ月程度の勉強で取得可能です。
・2級
2級では、商業簿記だけでなく工業簿記も試験範囲となり、経営管理にも役立つ内容です。
3級の内容に加え、本支店会計や連結会計など、より大きな企業で必要とされる知識を学びます。また製造業で必要とされる工業簿記も学ぶため、より幅広い業種で活かせる内容となっています。
近年は難化が目立っており、3級をすでに勉強して取得している方でも200時間以上の勉強が必要とされています。
・1級
1級はより高度な商業簿記や工業簿記の知識に加え、関連法規についても学びます。
取得すると学歴に依らず税理士試験の受験資格が得られることもあり、公認会計士、税理士試験への登竜門とも呼ばれます。
2級に比べると格段に難しい試験であり、目安とされる勉強時間は500時間以上、合格率も10%前後と難関国家資格並みになっています。
簿記試験は年3回、全国の商工会議所で統一試験が実施されておりますが、コロナをきっかけに1級以外はテストセンターでネット試験が受けられるようになりました。
ネット試験を受けられるテストセンターは統一試験より会場も多く、会場によってはほぼ毎日受験が可能で合否もその場で出るため、「求人応募のためにすぐに資格取得したい」という方に大変便利です。
■どんな仕事に活かせる?
簿記の知識や資格を一番活かせる仕事は、言うまでもなく会計事務所や経理事務での業務です。
アルバイトやパートの場合は簿記3級を取得していればよい、という求人もありますが、一般的には簿記2級を取得しているとプラスになると言われています。
実際にアカナビに掲載されている求人でも、「簿記2級を取得していれば、実務は未経験でも応募可」という求人がたくさんあり、採用に至った例も多数あります。
2級を取得するには、先述の通り長時間の勉強が必要なことはもちろん、経理への適性があること、向上心を持って努力できる人柄である、という好印象にもつながります。
会計経理業界は、毎年のように税法改正や新たな補助金制度など、常に知識のアップデートが必要な業務です。継続的な勉強が出来るということは、適性の一つと言えるでしょう。
それ以外にも、コンサルティングや経営企画など、自社や顧客の経営状況を見て判断する必要がある職種は、財務諸表や決算表を読み解けるようになっておくと、適切な提案や判断をする材料になります。
求人を見るときに注意したいのは、求人票に「簿記2級」と書かれていたら、それは「日商簿記」の前提であり、全商簿記や全経簿記ではその指標に入らないという点です。
全商簿記や全経簿記の級数は日商簿記の級数と一段階難易度の差が生じており、「日商簿記2級」にあたる試験範囲・難易度は、それぞれ「全商・全経簿記1級」になります。
「高校時代に全商簿記2級を取得した」という場合、日商簿記の範囲に直すと3級相当となりますので、応募資格を満たしていないケースにも注意が必要です。

