◆義父の“職人技”が炸裂する瞬間

小型の建設用ショベルカーで、義父が会社から持ってきた本物の作業車でした。しかも、駐車スペースには例の白いワンボックスがしっかりと停まっている。そして、その運転席にまだ人が乗っていたのです。
「中をのぞいたら、中年の女性が固まっていました。エンジンも切ってあって、完全に身動きできない状態になっていたんです」
義父は、溝口さんが自家用車で出勤した後すぐに到着し、トラックの荷台からショベルカーをおろしてワンボックスがやってくるまで身を潜めて待ったといいます。その日は運良く出勤後しばらくしてワンボックスはやってきて何食わぬ顔で車を停めたそうです。
溝口さんは、その女性にゆっくり近づき「通報するか、二度と停めないと念書を書くか」と問いかけたそうです。
その言葉に、女性はみるみる青ざめ、ついに泣き出してしまったそうです。女性は言われるがままに震える手で念書にサインしたといいます。
◆義父の行動力と決断力に感謝
その日を境に、白いワンボックスが現れることは一度もなくなりました。それだけではなく、1週間ほどしたあと、溝口さんの車のワイパーに白い封筒がはさんであり、なんとその中には謝罪の手紙と5万円分の商品券が入っていたそうです。「そこまで謝るくらいなら、最初から近隣の駐車場に停めればよかったのにと思いましたよ。よくわかりません、あの女性の心理は。見つからなければ大丈夫とでも思ったのですかね」
義父のお手柄で見事解決したこの問題。ようやく溝口家にも平穏な日々が戻ったそうです。
「でも、お義父さんの行動力と決断力には頭が上がりません。私一人で対処していたら、こんなにも早い解決はなかったと思います。かっこよかったです!」
<取材・文/八木正規>
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