3.今、損をしないための物件選び・リフォームの3つのポイント
これまでできていたリフォームに制限が増えると、「もっと早く買えばよかった」と損をした気持ちになるかもしれません。
これから物件選びをするなら、どうすれば後悔なく計画を進められるのでしょうか。
3-1.これから買うなら:長く住むつもりで「再建築不可物件」を選ぶのはリスク
まず、「物件価格が安いから」という理由だけで、再建築不可物件を選ぶのはハイリスクです。
再建築不可物件には、次のようなメリットとデメリットがあります。
| 再建築不可物件のメリット | 再建築不可物件のデメリット |
|---|---|
|
物件購入費用を大きく抑えられる 都市部の好立地も存在する |
大規模リフォームができない 建て替えができない 売却時に買い手が見つかりにくい 住宅ローンの審査に通りにくい |
リフォームを前提とした物件購入でとくに見逃せないのが、大規模リフォームができないことと、住宅ローンの審査に通りにくいことの2つです。
大規模リフォームの制限については前述のとおりですが、住宅ローンにも注意点があります。
ローンの審査は住宅の担保価値が大きく影響するため、制限が多い再建築不可物件は「資産価値が低い」とみなされ、審査に通らない可能性があるのです。
近年では物件価格や工事費用の高騰によって、安価に購入できる「訳アリ物件」が注目されていますが、長く住み続けるための物件探しなら、あまりおすすめはできません。
目先のお金だけでなく、将来的な資産価値やリフォームの自由度も含めて検討しましょう。
3-2.スケジュール:大きなリフォームは「+3か月前」から動くのが新常識
前述のように、スケルトンリフォームや大幅な間取り変更などの大規模リフォームには、建築確認申請が必要になります。
工事を始められるのは、建築確認を受けた後です。
審査にかかる期間は最長35日とされていますが、構造計算の確認や省エネ適合性判定、書類の不備などがあると、工事開始までに数か月かかる可能性もあります。
そのため、お子さんの入学や賃貸の更新時期などで入居時期が決まっている方は、一般的なリフォーム期間より、3か月は前倒しで計画を進めておきましょう。
具体的には入居希望時期の1年〜1年半前からの行動が理想です。
3-3.会社選び:法改正に対応できる「設計力・手続き実績」のある会社を選ぶ
建築確認申請は、建築士が代理で手続きするのが一般的です。
そのため建築士が在籍していない会社や、大規模リフォームの実績が少ない会社などに依頼すると、手続きができなかったり、対応に時間がかかったりする可能性があります。
大規模リフォームを前提に会社探しをするなら、次のような点を確認しておくと安心です。
大規模リフォームを依頼する会社選びのチェックポイント
一級または二級建築士が在籍しているか
設計から確認申請まで対応できるか
確認申請を伴うリフォーム実績があるか
建築法の改正(法律面)に詳しいか
法改正後の施工実績があるか
中でも重要なのが、「法改正後に確認申請に対応した経験があるか」という点です。
大規模リフォームの知識や経験が少ない会社では、確認申請を見落としたまま工事計画を進めてしまい、後にトラブルになる恐れがあります。
一方、経験豊富な会社なら、確認申請が必要になる境界線のチェックだけでなく、費用を抑える方法など、さまざまな提案を受けやすくなります。
会社選びでは、つい価格だけで比べがちですが、実績や知識量などもしっかりと比較しましょう。
4.建築基準法改正後のリフォームに関するQ&A
最後に、法改正でよくある質問にお答えします。
ここでしっかりと疑問を解消しておきましょう。
Q.建築確認なしで、こっそり(黙って)フルリフォームしちゃったらバレませんか?
建築確認申請しなければ審査もされないんですよね?申請しないでこっそりやっちゃえば大丈夫ですよね?
A.高確率でバレるので、絶対にやめましょう。
「リフォームだから」「言わなければバレない」と考えがちですが、将来のリフォーム時や売却時の調査で間違いなくバレます。
また、確認申請なしのリフォームが発覚すると、違反建築物として役所の厳しい指導を受けるだけでなく、着工停止や建物の除却(取り壊し)、売却禁止になることも。
厳しい是正措置が下されるので、必ず適法な形で工事を進めましょう。
Q.不動産屋やリフォーム会社によって「建築確認はいらない」と言うことが違うのはなぜですか?
相見積もりを取ったら、A社のスケジュールには建築確認の項目があったけど、B社には無かった。どういうこと?
A.会社ごとに、法改正への理解度や実務経験に差があるためです。
確認申請の必要性は「主要構造の半分に触れるか」という基準のため、実際の現場でもまだ解釈に差が出ている部分があります。
そのため、見積もりや現場調査の段階では回答に違いが出てしまうのです。
ただし、中には法改正への理解が不十分なまま、大丈夫だと回答する会社も存在します。
本当にできるのかと不安な場合は、確認申請を伴うリフォーム実績がある会社や、建築士が在籍している会社へ相談するのが安心です。
Q.「建築確認が必要」と言われました。自分で役所に申請しに行かなければいけないのですか?
申請って僕がやらないといけないの?やり方もわからないし、そんな時間もないんだけど。
A.一般的には、依頼したリフォーム会社や建築士が代行します。
確認申請では図面作成や構造確認などの専門的な知識が必要になるため、施主自身が対応するケースはほとんどありません。
通常は、行政や審査機関とのやり取りまで含めて、リフォーム会社や設計事務所が進めてくれます。
Q.フルリフォームしたい場合、家の半分ずつリフォームすれば、建築確認しなくていい?
工事範囲が家の半分を超えると申請が必要ってことは、家の半分ずつリフォームしてフルリフォームすれば申請しなくていいってこと?
A.いえ、工事を分けても、「一連の工事計画」と判断されれば、建築確認申請が必要になる可能性があります。
たとえば、「今年は1階、来年は2階」という形で工事時期を分けたとしても、実質的に大規模リフォームだと判断されると、確認申請をしなくてはなりません。
工事を分割すると足場代や人件費などの諸費用が二重にかかるので、確認申請より結果的に費用が高くなる可能性がある点にも注意しましょう。
Q.建築確認を出すと、毎年の「固定資産税」が上がると聞いたのですが本当ですか?
建築確認を取ることで、税金が上がるって聞いたんだけど。リフォームもやめた方がいいかなぁ。
A.リフォーム内容によっては、固定資産税が上がるかもしれません。
固定資産税は建物の評価額によって決まるため、大規模リフォームによって「建物の価値が高くなった」と判断されると、税額が上がる可能性があります。
ただし、今回の法改正が直接的に税額に影響するわけではありません。
固定資産税が心配な方は、工事によってどのくらい税額が変わるのかを確認しておくとよいでしょう。

