◆コレクションは、“所有”より“探す過程”が面白い

邪道:そうですね。そもそも、「モノ消費」と「コト消費」って、そんなにきれいに分けられるものじゃないと思うんですよ。たとえば、冷蔵庫を買い替えようと思ってネットではよくわからない時って、店に行って、値段を見て、製品を見比べて、店員さんと話して……という体験があるじゃないですか。でも、それは「冷蔵庫を買った」という“モノ消費”として処理されます。僕は、その過程にあった“一連の体験”はどう扱われるんだろうと思うんです。
――確かにそうですね。
邪道:コレクションも同じで、一般販売されている最新のおもちゃなら、欲しい物を買う行為に過ぎません。でも、ある程度時間が経つと、市場からそれらが消えていきます。いわゆる絶版です。そうすると、お金を払えば「はい、解決」とはいかなくなってきます。それらに対する知識、人とのつながりによる情報などが必要になってくるからです。日頃、Xで何々を探しているというポストをしていると、相互の方が「どこどこの中古店で、邪道さんが探していた何々を見つけたよ」と教えてくれたりします。それはもう、単なる“モノ消費”じゃなくなっていくと思うんですよね。
◆地方遠征することも珍しくない
――「誰々が教えてくれた」という体験が伴うと。邪道:そうです。僕自身も中古店に行きますし、地方の古いおもちゃ屋にも行きます。100キロメートル離れていても別に構いません。この前は福岡県まで行きましたし、その前は四国を回りました。新潟から福島、会津若松を通って、東京へ戻ってくるというルートで、おもちゃを探すこともありました。行動原理だけ見ると、“モノ消費”なんですよ。おもちゃを探しているので。でも、全体で見ると、完全に“体験”なんですよね。
――そうですね、もう旅ですよね。
邪道:そうなんです、お金もめちゃくちゃかかります(笑)。福岡まで行ったら、飛行機とホテルとレンタカーだけで、10万円ぐらい飛びます。おもちゃ好きの友人と地方のおもちゃ屋を巡る旅みたいなこともやっているんですけど、北海道から来る人もいるんです。名古屋に集まって、レンタカーを借りて、数人で2泊3日かけて岡山まで行くんです。いろいろなおもちゃ屋を巡りながら移動して、収穫があろうが無かろうが、最後は「楽しかったね!」って解散します。運がよければ、掘り出し物に出会うこともあったり。
――掘り出し物か、ワクワクします。ただ、「転売」と言われることもありそうですね。
邪道:なくはないですね。コレクションとは別に興味のあるおもちゃは「買って、遊んで、納得したら手放す」というサイクルが自分の中にあるんですが、1万円で買った物が、手放す時に2万円だとしたら「転売だ」って言われるとか。仮に1万円の利益があったとしても、買うまでのコストを考えれば赤字がちょっと減るだけだったりしますし、買った時より安く手放す物もあるんですけどね。

