◆50歳で大学に通いだした人も

「どうすればお金を稼げるかということを30年近く考え続けたら、50歳直前にして精神的に病んでしまったんです」
こう話すのは、投資会社で働く岩田浩二さん(仮名・50歳)だ。今年からある大学の自然科学部に入学して、週末を勉強時間に費やすようになったという。
「お金がなくても人は幸せになれるはずという思いから、幸せと脳の関係について勉強しています。私個人としては、自然に触れることで幸福度が増すという研究成果をもとに、家の中に緑を増やしたり、散歩を習慣にするようになりました。学費で50万円以上かかりましたが、気持ちを切り替えられるようになったので、働く意欲も湧いてきた」
◆散財は老後生活に彩りを添える
このように50代からお金を使って好きなことに取り組むことは、幸せな老後に繫がる。高齢者専門の精神科医として35年以上活躍する和田秀樹氏は次のように話すのだ。「定年退職後に新しいことを始めたいと考える人は多いが、仕事という外に出る強制力が働かなくなると、新しいことに挑戦する意欲もなくなるというケースが多いんです。つまり、お金を貯めてきたのに、使い道がないという人も出てくる。だからこそ、50代から推し活や学び直しなどに取り組むのは素晴らしい選択です。人は幸福度を他人との比較で測る傾向にあるのですが、新たな挑戦をして新しい価値観を身につけると、仕事や会社という比較対象のいる枠から抜け出せる。より幸福感を覚えやすくなるわけです。
さらに推し活をすると男性ホルモンが分泌されるので、若々しくなり活発になるという利点もある。新たな刺激で前頭葉が活性化されるので、感情のコントロールが利きやすくなり、認知症の予防にも繫がる。実際、私が見てきたなかでも、推し活で認知症が改善したり、閉経した女性に数年ぶりの生理が来たというケースもある」
50代からの新たな散財は老後生活に彩りを添えるのだ。
【精神科医 和田秀樹氏】
東大医学部卒。東大医学部附属病院などを経て、和田秀樹こころと体のクリニック開設。幸齢党党首。『80歳の壁』など著書多数
![50代からの[幸せ散財]革命](https://assets.mama.aacdn.jp/contents/210/2026/6/1780384545626_x1bj63j15qj.jpg?maxwidth=800)
取材・文/週刊SPA!編集部
―[50代からの[幸せ散財]革命]―

