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更年期の「夕方の不安・胸のざわつき」はなぜ?東洋医学で心を整える食事と習慣

更年期の「夕方の不安・胸のざわつき」はなぜ?東洋医学で心を整える食事と習慣

理由もないのに急に不安になったり落ち着かなくなる……更年期によく見られるこうしたメンタルの不調は、五臓(ごぞう)の「心(しん)」が深く関わっていると東洋医学では考えられています。負荷がかかりやすい「心」を休ませて、こころを安らかに整える養生法をご紹介します。

突然の胸のザワザワ……更年期に「夕方の不安感」が襲ってくる理由

夕暮れどきにふと、「私、今のままでいいのかな」という漠然とした不安感が、どこからともなく湧いてくる。

夜、ベッドに入って眠ろうとしたときに、「今日あんなことしなきゃよかった」「明日はあれがうまくできるかな」などと細かいことが気になり出して、落ち着かなくなる。

……こんな経験はありませんか?

こうした精神的に落ち着かない状態は、「五臓(ごぞう=体の機能を大きく5つに分けた東洋医学の考え方)」のひとつである「心(しん)」が深く関わっていると考えられています。心とは、西洋医学で言う「心臓」に相当する場所。

東洋医学には「心は神(しん)を受け持つ」という言葉があります。「神」とは宗教的な神様のことではなく、こころのこと。「精神」の神ですね。余談ですが、神という文字の起源は稲妻の形を描いた象形文字で、古代人にとって稲妻は人知を超えた現象だったことから、「不思議で神秘的な力」を表す文字だったのだそうです。そして、この世の不思議の最たるものが、人間の「こころ」。そこから、神にはこころという意味も生まれたのでしょう。神経、失神などは、神の文字がこころ(意識)という意味で用いられている言葉です。

東洋医学ではこころと体は切り離せないものとされ、五臓それぞれにも感情が宿っていると考えられています。例えば「肝(かん)」は怒り、「肺(はい)」は憂いや悲しみ、「腎(じん)」は恐怖心、など。しかしそのいずれの感情も、大元となるのは心の働きで、怒りで心が動くと肝が反応する、悲しみで心が動くと肺が反応する……というように、すべての感情や精神活動は心からはじまっている、と考えられているのです。確かに、あらゆる感情にまず反応するのは心臓の鼓動で、胸が高鳴ったり締めつけられたりすることを思うと、この理屈は腑に落ちるのではないでしょうか。

しかし、心の働きは更年期になると不安定になる傾向があります。ひとときも休むことなく鼓動しつづける心は強い熱を帯びているのですが、更年期になると体内の潤いが不足気味になるため、この心の熱が強くなりすぎてその働きが乱れやすくなるのです。理由もなく胸がざわついたり、落ち着かなくなったりするのは、オーバーヒートしている心からの「休みたい」というSOSのサインと言えるでしょう。

こころを落ち着かせる!今日からできる「養心安神(ようしんあんじん)」メニュー

夕暮れどきにこころが不安定になるのも、実は更年期が関係しています。

私たちの体と自然界には、共通する「陰陽(いんよう)」のサイクルがあります。日が出ている昼間は活発で熱エネルギーにあふれる陽のサイクル、日が沈む夜は静かで潤いが生まれる陰のサイクル。そして夕暮れどきは、陽のサイクルから陰のサイクルへと切り替わる時間帯です。しかし更年期世代は潤い(陰)が不足しがちなため、陽から陰への切り替わりにうまく同調できない場合が。特に体内の潤いのもととなる「血(けつ≒血液)」が不足していると、陽から陰への切り替わりである夕暮れどきに、こころが不安定になりやすいのです。

東洋医学では「血は精神を生み出す物質」とされ、血が十分に満ち、順調に体内をめぐっていれば、精神は健全な状態を保てると考えられています。その血を生み出し、体内にめぐらせる役割を持つものこそ、心。更年期世代に起こる胸のざわめきや落ち着かない気分をやわらげるには、心の働きを助けることがカギなのです。

心の働きを助けてメンタルの不調をやわらげる養生のことを、「養心安神(ようしんあんじん)」と呼びます。心を養い、神を安らかにするという意味です。養心安神の効能を持つ主な食材は、なつめ、たまご、ハツ、牡蠣など。例えば次のような方法で、これらの養心安神の食材を日常的にとり入れると、心の働きを高めてこころを安定させる近道となります。

◉午後のお茶に「なつめ」を1粒入れるだけ
なつめは調理不要で、ドライフルーツとしてそのまま食べられるほか、手でちぎってお茶に入れれば簡単になつめドリンクのできあがり。温かい紅茶やほうじ茶、麦茶、黒豆茶、ルイボスティーなどになつめを1~2粒ちぎって入れて飲むことを、毎日の習慣にしてみるといいでしょう。自然な甘みが、こころの緊張をやさしくほぐしてくれます。

◉電子レンジで簡単!「卵」を使ったお手軽メニュー
たまごは血や潤いを補う食材で、更年期対策の心強い味方となる食材。とはいえ、火を使って調理するのは少なからず負担感があるものですよね。そこで、電子レンジを使ったたまごメニューを積極的にとり入れるのも一案。レンジ温玉やココット、茶碗蒸し、かきたまスープなど、火を使わずに短時間で調理ができるので、忙しい朝やもう1品足したい夜のメニューなどにぴったりです。

◉スーパーのお惣菜でもOK!「ハツ(ココロ)の串焼き」
東洋医学には、不調がある部位と同じ部位を食べることでその部位の働きを助けることができるという「以臓補臓(いぞうほぞう)」と呼ばれる考えがあります。心の働きを高めるなら、ハツ(豚や鶏の心臓)を食べるのが効果的。疲れた日や頑張った日はスーパーや焼き鳥屋でハツの串焼きを購入して、心のエネルギーチャージをするといいでしょう。

◉ストックしていつでも使える「牡蠣(カキ)の缶詰」
牡蠣は血や潤いを補って不安感をやわらげるほか、不眠、ほてり、のぼせなどを静めたいときにも最適。日常使いには、保存が効いてすぐ食べられる缶詰やオイル漬けが便利です。ホットフラッシュや寝汗、肌の乾燥などが気になるときにもぴったり。

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