薬だけに頼らない「ひざ痛対策」とは?
みなさんは「健康寿命」という言葉を知っていますか?
人が生まれてから死ぬまでの期間を寿命と言いますが、「健康寿命」とは介護を必要としないで、自立した生活ができる生存期間のことです。
「健康寿命」が短くなると、自立した生活が難しくなることもあります。高齢化社会を迎え、要介護者を減らすには、この「健康寿命」をのばすことがとても大切なのです。
ですから、ぜひ、ひざ痛を予防して「健康寿命」をのばしていただかなければなりません。
ひざ痛を治す方法の1つとして、体操が有効であることは昔から経験的に知られていましたが、「日本整形外科学会」が中心となって行った大規模な研究の結果、医学的にも体操は鎖痛剤の服用と同程度の有効性があることが証明されました。
私の病院でもひざ痛の患者さんに体操をお勧めするのですが、体操の種類や正しいやり方の指導に十分な時間がとれないのが現状でした。また、そうした体操は医療機関だけで指導するには限界があると感じていました。
そんなとき、二十数年にわたってひざ痛をはじめ、体に痛みや不調を感じている一万人以上の人へ予防・改善の指導経験がある、健康運動指導士の黒田恵美子さんが考案された「ひざ痛予防体操」を知りました。その体操やストレッチは決して無理せず、単調でなく、楽に続けられるような内容でした。
そこで、神奈川県の横浜市鶴見福祉保健センターの「ひざ痛対策事業」に参加していた私は、鶴見区民のみなさんへこの「ひざ痛予防体操」を普及するべく活動させていただきました。すると、
「体操を継続すると、ひざ痛が軽減するだけでなく、他にも体にいろいろなよい変化が出てくる」
「ひざ痛が軽減すると、行動範囲が広がり、より活発な生活を送れるようになる」
などのさまざまなよい効果があったという声を聞くことができたのです。
ひざ痛は毎日の「動き方のクセ」で変わる

さらに、この体操をより親しみやすいものにするには、ネーミングが必要という参加者からの声が聞かれ、参加者のおひとりが「ひざをちゃんとする体操」という意味で、「ひざちゃん体操」と名付けてくださいました。
ひざ痛は、0脚やX脚などのひざのゆがみと、日ごろのひざに負担のかかる動かし方が大きく関係しています。
生まれつき0脚やX脚の人はひざ痛になりやすいのですが、もともと大きなゆがみがなくても、動かし方のクセだけでひざを痛めてしまうことがあります。
日常の動作の一つ一つが、10年後の体をつくっていきます。ひざに負担の少ない動かし方は、健康でバランスのとれた足腰をつくり、ゆがみや負担の強い動かし方はひざだけでなく体を壊していくのです。
ですから、ひざが「痛いな」「何か違和感があるな」と思ったら、次に説明する、ひざちゃん体操の基本動作である「こんにちは」の動かし方をマスターしてください。
次回は、「ひざちゃん体操」の基本動作「こんにちは」を使った、“ひざに負担をかけにくい立ち上がり方”を紹介します。椅子から立つ瞬間に「イタッ」と感じる人は必見です。
もっと詳しく知りたい人は書籍をチェック!

『出かける前に1分 ひざちゃん体操』(かんき出版)

