全身の衰えや不調には、実は“口の中が狭くなる”ことによる「唾液力の低下」が関わっていることが、近年わかってきました。この唾液力は何歳からでも鍛えられます。唾液力をアップ口内環境を整える正しい歯磨き術と生活習慣を解説します。
教えてくれたのは、医療法人社団光歯会 森歯科クリニック院長 森昭さん

もり・あきら 1988年大阪歯科大学卒業。京都府舞鶴市で開業。予防歯科に力を入れ、唾液とオーラルケアの大切さを全国に発信している。唾液力強化専用器具“ストレッチオーラル”開発者。著書に『口の中から甦れ!』(日本橋出版刊)など。
口内環境を整える生活習慣で唾液量アップ!
「口の中の環境を整える習慣を身につけるだけでも、唾液の分泌量は増やせます」と森さんは語ります。
まず実践したいのは、食事中は飲み物で食べ物を流し込んだりせず、よい姿勢で前歯を使ってよく噛んで食べることです。口呼吸を避けることも口の乾燥予防に直結します。
また、口の中には、肛門より多い約100億もの細菌が存在するため、歯科衛生士のいる歯科医院での定期的なメンテナンスも欠かせません。「唾液を出す生活を意識することは健康寿命を延ばすことにもつながります」(森さん)
食事中はお茶などの飲み物を控える

食事を水分で流し込むと噛む回数が減り、唾液が十分に出ません。お茶を飲むなら食後に。緑茶やウーロン茶などに含まれるポリフェノールには唾液の分泌を抑える作用があるので、飲み過ぎに注意を。
「食事は姿勢よく&前歯も使う」がポイント!
食事中は床に足をつけ、正しい姿勢を心掛けると、食べ物を楽に噛めるので咀嚼回数が上がり、唾液もしっかり出ます。また実は「前歯を使う」ことも大切。食べ物を前歯で引きちぎる動きは唾液腺を刺激し、表情筋など口のまわりの筋肉も鍛えます。
歯科衛生士のいる歯科医院をかかりつけに
歯科衛生士は、普段のケアでは取り切れないプラークや歯石を除去し、その人に合った口腔ケアのアドバイスをくれる専門職。「歯科衛生士のいる歯科医院の定期的な受診が、口と全身の健康を守るカギとなります」
歯間ケアでプラークをしっかり落とす
歯の間には食べ物に含まれる糖をエサに増殖した細菌の塊、プラークがついています。「デンタルフロスや歯間ブラシでプラークや食べかすを除去し、歯の間に“唾液の通り道”を作ることが大事。唾液の洗浄作用が働き、悪玉菌の増殖を防ぎます」
マウスピースで睡眠中の口を守る

睡眠中は、意識して歯と歯の接触を防ぐことができません。かかりつけの歯科で口の中をチェックしてもらい、歯ぎしり、食いしばりなどがある人は、睡眠中につけるマウスピースを作りましょう。マウスピースは、保険適用で作れます。

