3. 残された「余白」を、アート視点で人が緩やかに繋がるコミュニティへ
倉重:まだ半年たったばかりで、ある意味スタート地点から少しではありますが、3年間の任期中に成し遂げたいことや、その先の目標などはありますか?
鳥井:そうですね。やっぱり自分は「空間」を作りたいという意識が強いなって思います。歴史的な建造物や空き家などを活用しながら、文化的な活動がずっと続けられるような仕組みや場づくりをしたいですね。単発のイベントで終わらせるのではなく、持続できるものを作っていくことが目標です。
倉重:具体的には、どのような場づくりをイメージされているのでしょうか?
鳥井:私が以前よく滞在していたゲストハウスやレジデンスには、ものづくりをする人たちが自然と集まっているような場所がありました。そこで「次はこういうものをつくりたいね」とか話し合って、まさに次のアクションに繋がるクリエイティブな場所だったんです。
倉重:クリエイター同士が刺激し合えるようなコミュニティですね。
鳥井:小樽に来てから、そういった場所がまだ少し足りないなと感じていて。必ずしもクリエイターだけじゃなくて、どんな人もそうした場所があると、色んなことが生まれる気がしてます。何かを表現したい人たちが、プレッシャーを感じずに緩やかに繋がれる場所を作りたいなと思っています。
倉重:小樽と言う場所と、アートやデザイン軸の相性は、とても良さそうに感じますね。今まではどちらかというと「歴史」的な少し重みのある感じを持っていましたが…。
鳥井:アートやデザイン自体も、少し敷居が高くて余裕のある人が楽しむものというイメージがあるかもしれません。でも私はアートは特別なものではなく、同じ景色を違う角度から見るための「フィルター」のようなものだと思っています。
倉重:日常の風景を少しだけ豊かにしてくれる、身近なツールのような感覚ですね。
鳥井:その通りです。なので、今まで培ってこられた地域の皆さんの思いや歴史も、そうした感覚で、新しい見え方や魅力が引き出せるんじゃないかと。今はOC+の中で、食とアートをどう絡めていくかという会議もしています。視覚的なものだけでなく、小樽ならではの音や匂いや味覚なんかも新しく感じるような、そんな空間やコミュニティづくりに参加できたら面白いなと考えているところです。
倉重:最後に、今、新たに地域おこし協力隊の募集も始まっています。これから地域に関わろうとしている方や、鳥井さんと同じように小樽に飛び込んでみようと考えている方へメッセージがあったら、ぜひお願いします。
鳥井:小樽は完成された観光地のイメージが強いかもしれませんが、一歩裏に入ればまだまだたくさんの「余白」があります。視点を少し変えるだけで新しい活用方法が見つかるので、そういうギャップを面白がれる人には、たまらなく楽しい街だと思います。
鳥井:もちろんアート軸だけでなくて、色んな可能性があると思いますので、そういう意欲や感覚のある人には、是非応募して頂きたいと思いますね。一緒に活動できるのを楽しみにしています。
倉重:勇気の湧くメッセージ、ありがとうございました!
編集後記
地方移住や地域おこしと聞くと、つい「大きな課題解決」をしなければならない、重責をになうものと思いがちです。しかし鳥井さんは、むしろ自分の中から湧いてくる感覚を大切に、それと街の波長を合わせるような意識で、自由に活動しているようなイメージでした。彼女のように、自分の好きなテーマを起点として、街の余白を等身大で面白がりながら、地域の人たちと溶け込んで活動する姿勢こそが、結果的に地域に馴染んだ新しい風を吹き込むのだと強く感じました。
今回、新たに3名の地域おこし協力隊の募集が始まっています。ミッションはそれぞれ全く別のものですが、もしこの記事を読んでいただいた皆さんが、少しでもその気持ちを揺さぶるものを感じていただけたのなら、是非その機会をもう少し深掘りしていただければと思います。もしかしたら、そこには鳥井さんと同じような、あなた自身の新しい一歩になる引き寄せのチャンスが込められているかもしれません。
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