日本民営鉄道協会が毎年発表している「駅と電車内のマナーに関する調査」を見ると、その不快感の正体が数字で浮かび上がってきます。最新の2025年度調査によると、「騒々しい会話・はしゃぎまわり」は総合3位(30.2%)と、依然として上位の常連。さらに「駅や電車内のマナーは以前に比べて改善されたか」という問いに対し、「改善された・やや改善された」と答えた人は、わずか18.4%にとどまりました。

記事の後半では、最新のマナー調査データをもとに「やや悪化した・悪化した」と感じる人の割合も紹介します。
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◆レッスンのための移動中に
声楽家の中村さん(仮名・43歳)は、東京と大阪を行き来する多忙な日々を送っているそうです。毎週木曜日には東京駅から新幹線に乗り込み、レッスンのために大阪へ向かうことが習慣になっています。そんな彼が先日体験した出来事は、日常の移動に潜む予想外の恐怖を実感させるものでした。
「その日は特に変わったこともなく、新大阪行きの列車に乗りました。前の席には細身で真面目そうな40代くらいの男性が座っていて、発車直後に『席を倒してもいいですか?』と声をかけてくれたんです。礼儀正しい方だなという印象でしたね」
中村さんは駅の売店で買ったおつまみとビールを楽しみ、少しずつ眠気に包まれていったそうです。静かな移動時間が始まると思っていた矢先、予想外の展開が待ち受けていたと言います。
◆静けさを破った異様な声
「ウトウトしかけたころ、前の席から低い声が聞こえてきました。最初は電話かな?くらいに思ったんです。でも、だんだん声が強くなってきて、内容も『ふざけるな!』とか『やってみろよ!』みたいな、明らかにただ事じゃない言葉だったんです」抑えた口調ながらも、相手を叱責するような強い口調。次第に声量は増し、その男性の周囲に座る乗客は視線を頻繁に向けていたそうです。

車内での異様な空気に、眠気は完全に吹き飛び、中村さんはついに行動に出る決意を固めたと言います。

