
◆本番前最後の試合は見どころ十分
アイスランド戦は壮行試合ということもあり、興行的な側面が強く試合自体の見どころは少ないと予想されていた。実際に吉田麻也の代表引退試合といった文脈も加味されてお祭りムードは色濃く出ていた。それでも、森保一監督は本大会でも想定しているシステムを試したりと、試合内容でも想像以上に見どころのある一戦となった。まず、ひとつ目の注目ポイントとして、フォーメーションの試用が挙げられる。吉田が先発したとはいえ、布陣は見慣れた3-4-2-1で、前半14分に吉田に代わって伊藤洋輝が入り、ワールドカップを戦うメンバーがそろう本当の先発になった。前半いっぱいはこれまでどおりのシステムで、遠藤航ら負傷明けの選手らの実戦におけるコンディションを確認した。
後半に入り、菅原由勢と長友佑都らが投入された。フォーメーション上の変化はなかったものの、サイドにDFが本職の2人を置いて守備的意識を高めた形に変更した。とはいえ、菅原も長友もこれまでとは異なり、相手の最終ラインに影響を及ぼすほど高いポジショニングであったため、守備固めのためだけの戦術というわけではなさそうだ。
◆新ルールが適用され、数的優位な状況に
そして後半28分に後藤啓介、塩貝健人らを投入すると、先に出場していた小川航基と塩貝の2トップに変更。同じく先に出場していた瀬古歩夢を1ボランチにして、後藤と久保建英がシャドーのポジションに入る3-3-2-2へと形を変えた。連係・連動という点では完成度が低すぎるが、得点を取りにいく際に採用するシステムとして想定されていることだろう。特に3つ目のシステムにおいてはまだまだで、これからの合宿で戦術とともにその精度を高めていくものと思われる。しかし、ベースの布陣をこの3つとして相手を考慮した戦術やそのときの状況に合わせて使い分けていくことが見えてきた。
その他に見どころとなったのは、今大会から採用される新ルールの影響だった。中継を見ていた人たちは実況や解説があったので気づいていると思われるが、日本が得点を挙げたときは相手のアイスランドは1人少ない状況だった。その数的優位な状況を生かして日本は得点し、試合に勝つことができたといっても過言ではないほど、新ルールが試合の結果に大きな影響を及ぼした。

