すると、もともとの地元住民とタワマン住民の間で摩擦が生じることも……。
今回は十数年前、自身が小学生のころ、突然家にやってきたタワマン住民少女にマウンティングされた苦い思い出があるというメグミさん(23歳・仮名)が、当時のエピソードを語ってくれた。

◆“タワマン組”上層階の女の子の来訪
メグミさんの自宅は下町の一軒家だったそうだが、近隣にタワーマンションが建ったことで、日常が少しずつ悪い方向へ変化していったという。「そのタワマンに住む家族の子どもたちが、うちの学校に編入してきたんです。おしゃれな文房具を持っていたり、英語を習っていたりして、“地元組”とはまるで違う雰囲気で。なんとなく話も合わないし、どこか見下されているような感覚がありました。
ある日、そんな“タワマン組”の女の子の一人が、突然うちにやってきたんです。
同じクラスの、タワマンの上層階に住んでいる子で、学校でもひときわ目立つ存在でした。でも、私はそれほど親しく話したこともなくて、もちろんその日も遊ぶ約束なんてしていませんでした」
◆挨拶は形だけ…我が物顔でやりたい放題
当時、メグミさんは趣味でピアノを楽しんでおり、その日はリビングで一人黙々と鍵盤に向き合って練習していたそうだ。ところが突然鳴り響いたインターホンが、その心地よいひとときを不意に打ち破る。
「母は夕飯を作っている最中だったので私が玄関まで行きました。チャイムを鳴らしていたのはタワマンの子。驚きましたよ。特別親しいわけでもない同級生が立っているんですから。
でもその子は、私の戸惑いなどお構いなしに『あなた、ピアノ弾いてるの?』と聞いてきました。おそらく外までピアノの音が漏れていて、たまたま私の家の前の道を歩いているときに、その音を聴いて来たんだと思います」
あたふたしているメグミさんが答える間もなく、女の子は「私も弾いてるよ!」と続け、そのまま靴を脱いでずんずんと家の中に入って来たという。慌てて後を追うと、すでにピアノの前に座っていたのだとか。
「一応、母には礼儀正しく『お邪魔します』って挨拶はするんですよね。でも定型文の挨拶をしただけって感じで愛想が良いわけではないし、そもそも招いてもいないよその子が許可もしてないのに家にあがってきたので、母もだいぶ戸惑っていました。そして困惑する私と母を尻目に、勝手に演奏を始めました(苦笑)。
最初は母も『上手だね~』と大人の対応をしていたのですが、その子は社交辞令を真に受けた様子でした。『こんなの全然大したことない。今の曲は簡単すぎるから、次は子犬のワルツを弾いてあげるね!』と返すその子の偉そうな態度に、母の笑顔もだんだん引きつっていきました」
“独奏会”が終わるころには、メグミさん親子はすっかりくたびれてしまっていたという。他人の家に上がり込み、我が物顔でやりたい放題──。女の子が帰ったあと「家の空気は変な感じだった」とメグミさんは振り返る。

