◆警察による直接の注意で根本解決へ

「当初は保護団体に引き渡すことを考えていましたが、もともと私も夫も猫好きで、入居するアパートがペット可だったこともあり、そのまま自分たちで飼うことに決めたんです」
猫の姿が見えなくなったことに気づいた餌やりのお婆さんは、わざわざ喜川さんの自宅のチャイムを鳴らし「一目だけでも、猫を見せて」と頼んできた。
これに対して夫は、アパートの周辺でカラスの被害が増えたことや「あなたのせいで猫が酷い目にあっていたんですよ!」と、きっぱり断った。お婆さんに悪気はなかったはず。さぞ驚いたことだろう。
後日、喜川さんは警察官を伴ってお婆さんのもとを訪ねた。警察官はお婆さんに直接注意をしてくれたという。
「そんなに猫が好きなら自分で飼えばよかったのに、こうなったのはお婆さんの自業自得ですよ」
以来、キャットフードがアパートの敷地に置かれることは二度となくなったのだ。
後始末のない野良猫への餌やりは、残飯を求めるカラスを呼び寄せ、子どもたちの安全への不安、さらには直接の当事者ではない近隣住民が動物に暴力をふるうという事態も引き起こしたのだった。一人の人間による無責任な行為が、いかに広範な被害と摩擦を生むかという好例だろう。
<取材・文/日刊SPA!編集部、藤山ムツキ>
【藤山ムツキ】
編集者・ライター・旅行作家。取材や執筆、原稿整理、コンビニへの買い出しから芸能人のゴーストライターまで、メディアまわりの超“何でも屋”です。著書に『海外アングラ旅行』『実録!いかがわしい経験をしまくってみました』『10ドルの夜景』など。執筆協力に『旅の賢人たちがつくった海外旅行最強ナビ』シリーズほか多数。X(旧Twitter):@gold_gogogo

