
イギリスで愛され続ける定番スイーツ「レモンドリズルケーキ」。焼き上がった生地にたっぷりのレモンシロップを染み込ませた、じゅわっと広がる酸味と甘みがたまらない一品です。じつはこのケーキ、ホテル仕込みの「冷凍する」という裏技を使うとさらに味が濃く、美味しくなるんです! コッツウォルズのホテルで働いていた経験のあるパティシエのTomoさんが、初夏にぴったりの手軽なレシピをご紹介します。
イギリスで人気のお菓子は、レモン風味
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イギリスを代表するお菓子の一つといえば、レモンドリズルケーキ。
イギリス人に聞く“イギリス菓子ランキング”でも常に上位のこのケーキ。私の中でも、1位2位を争うイギリス菓子です。
日本でもレモンの焼き菓子は人気ですよね! 私も大好き。イギリスにもいろいろな種類のレモンのお菓子があります。


この連載「イギリス菓子便り」でも、レモン風味のセルフソーシングプディングやポセットをご紹介していますので、レモンがお好きな方は、2記事も参考にしていただけたら嬉しいです。特にポセットはこれからの季節、さっぱりと食べられておすすめですよ!
レモンドリズルケーキが美味しい秘密

このレモンドリズルケーキの何が普通のレモンケーキと違うかというと、それは仕上げの部分。フランスでも日本でも一般的なのは、レモン風味の生地を焼いたあとに、レモン汁と粉糖を混ぜたものを上からかけて仕上げます。それももちろん、シャリッとした食感で、美味しいです。
ですが、このレモンドリズルケーキは、生地が焼けたら、表面全体的に爪楊枝で穴をあけ、レモン汁とグラニュー糖を混ぜたものを上からかけて、生地に染み込ませます。これがまあ、とっても美味しい!
この菓子の名前にある「Drizzle(ドリズル)」という英単語には「(液体を)少しずつかける、細くたらす」という意味があります。まさにこのシロップを「たらしかける」仕上げの作り方が、そのままケーキの名前の由来となっています。
表面はかじるとカツっと上の歯が当たる感じ。それからレモンの風味たっぷりの生地が、それはそれは美味しい! 最後にジャリッとしたレモンのアイシングが口に残るという感じ。こういった焼き菓子は焼きたてよりも、日を置くごとに美味しくなるケーキです。

私がこのケーキを初めて食べたのは、働いていたイギリスのホテルでの仕事中。私の担当はディナーの後に食べるようなデザート作りと、オーダーが入ったらお皿に盛り付けて出すのがメインの仕事だったのですが、たまに、アフタヌーンティーの予約などが入っていると、そのアフタヌーンティーのお菓子をカットして盛り付けたりもしていました。

ケーキづくりの担当は私ではありませんでしたが、担当者が長い休暇中でいない時など、私が作ることもありました。いつもそのケーキは焼いたら冷凍して、使うときにカットして解凍して出していたのですが(ホテルでそんなことをしていることは、もしかしたらびっくりされるかもしれませんが、お菓子屋さんでも焼き菓子やムースなど、冷凍することは一般的)、切れ端をちょっとつまみ食いした時の衝撃と言ったら。
何このお菓子! 普通のレモンケーキよりも味が濃い! と感動しました。本当にイギリスのお菓子って、見た目は地味ですが、味わい深いお菓子が多く、私は、そこに魅了され続けています。

その初めて食べた時の衝撃が忘れられず、家で焼いた時であっても、冷凍してから食べることもあります。そうすることで、味わい深くなる気がするのです。
そんなことから、私は人をお招きするときに、事前に焼いて冷凍しておいたものを解凍して出すこともありますよ! 当日に作るとなると、準備から片付けまでして、お客様が到着する頃にはグッタリなんていうこともあるかもしれませんが、こういう工夫で、ちょっとハードルが下がりますよね。

イギリスの焼き菓子は日を置くごとに美味しくなる物が多いので、数日前に焼いておけるというのも魅力の一つです。
お菓子作りをするうえで、気軽に作れることは、私にとっても大事なポイント。少しでも皆さんが気を張らずに気楽にお菓子作りができますように!
