昨今、新卒採用における総合職や営業職の女性比率は上がり、政府は「2030年までに女性役員比率を30%以上」という目標を掲げている。数字の上で女性のキャリア推進が進んでいる会社も多いだろう。しかし問題は、その実態だ。
女性が活躍しやすい職場の代表格として語られやすい生命保険会社。今回は筆者自身が約5年前に働いていた頃の事例をもとに、「女性が多い職場」で起こるハラスメントの実態をお伝えしたい。

◆指導のつもりが容姿批判に?
筆者が働いていた支部で、管理職を務めていた女性の多くは在籍10年程度、年齢は30代後半から40代前半が多かった。子育てをしながら成果を出し続ける、いわゆるバリキャリママだ。会社の中では「デキる人」として評価され、後輩の指導役も担っていた。成果を出してきた女性が指導役に就くこと自体は、歓迎されるべきことだ。問題は、マネジメントの質が問われないことにある。しかも数字を出してきた人ほど、自分のやり方を疑わない。管理職のひとりが実際におこなっていた内容を具体的に挙げる。
①ロープレ中の無断撮影
20代半ばの後輩から聞いた話だ。営業ロープレの最中、突然スマートフォンを向けられ、無断で写真を撮られたという。画面を見せながら言われたのが「こんな顔でお客さんの前に出るつもり?」という言葉だった。上司の意図はおそらく、ロープレの段階から表情を意識しろという指導だったのだろう。
確かに、緊張でこわばった表情だったと後輩は言っていた。だがやり方は、容姿そのものを批判しているようにも受け取れる。朝礼後、周りに多くの人がいる中でのことだ。傍から見ればいじめの現場にも映りかねない。後輩はひどく傷ついた様子だった。
◆厳しい叱責の果てに…
②怒鳴り、手を上げる怒鳴り声は、筆者自身も何度も耳にした。ミスをした部下に向かって「バカなの!?」「時間ねぇんだよ」と声を荒らげる場面だ。注意の域を超えた威圧だが、誰も言い方に口を挟まない。怒りの矛先が自分に向かないよう、むしろ「今日は自分じゃなくてよかった」と安堵しているくらいだ。周囲は黙って目を伏せるだけであった。
さらに衝撃だったのは、契約内容のミスが発生した際に、上司が部下に手を上げた場面だ。支部長が同席していたにもかかわらず止められなかった。支部長すらも黙認、というよりも容認とも言える光景であった。

