「親が全額出すのが正しい」という思い込みが老後破産を招く
私たち夫婦には6人の子がいます。「教育費はどう捻出しているのか」と、よく聞かれますが、貯金や資産運用の利益でコツコツ準備しています。ただし、高校卒業後の専門学校や大学進学のための資金として、親が準備するのはひとりあたり総額の5〜6割と決めています。このくらいあれば、入学時の費用と次年度くらいまでの学費がまかなえるからです。
わが家は全員が参加する「家族マネー会議」を毎月行います。この場で「全員に全額の学費を出すことは難しい」と伝えてあります。それを受け、子どもたちはどう工面していくかを自分たちで考えるため、議題の一つにしています。もちろん学業優先ですから、どうしても自己負担の目途が立たなければ援助するつもりです。
しかし、「自分でお金を払って学ぶ」となると、その責任を全うしたいという意識が高まるためか、サボることなく、しっかり勉強してくれます。大学に通いながらアルバイトで学費を稼ぐのは大変でしょうが、それも人生の大きな経験。
親がすべて負担するのが正しいと思い込まず、柔軟に話し合って工面していくほうが、社会的な学びもあるのではないでしょうか。
学費のために老後資金を削ると、最終的に子どもに迷惑をかける
Eさん同様、子どもの教育費に懸命で、老後資金が貯められない家庭は結構あります。この場合、まず私たちの取り組みをお話しします。とはいえ「学費をどう工面するか」について、子どもたちと簡単に話し合えない気持ちも理解できます。
些細なことから少しずつ、子どもたちとお金のあり方を話し合い、親の考え方や懸念事項、目指したい姿などを伝えてみてはいかがでしょうか。その後、時機がきたら改めて場を設け、子どもたちの進路や教育資金の見通し、親はどれくらいサポートできるのか、不足分はどう工面していくのかなど、親子で考え方を共有していくよう助言しています。
Eさんのケースでは、子どもひとりにつき300万円を用意し、残ったお金と毎月の貯蓄は老後資金に回すことになりました。300万円あれば、入学から2年分くらいの学費をまかなえます。18歳で入学すれば20歳までの援助となります。
教育費をかけすぎて老後資金が苦しくなると、最終的に子どもたちの世話にならざるを得ないことが多々あります。
長期的な視点で、わが子に老後の心配をさせない、老後に迷惑をかけないように準備することも、親の務めの一つだと私たちは助言しています。
