立場や環境は様々なれど、取材対象者の大半がごくフツーに生きてきた市井の人々である。ドラマチックなものは何もない。むしろ、酒が入ってるぶん下世話な言葉遣いや下ネタも多々ある。が、リアルな人生とは、そもそも極端に美しいものでも醜いものでもない。だからこそ、20代、30代を経て中年になった彼らの言葉には一定の重みがある。自身の体験から滲み出る説得力がある。
これを単なる酔客の戯ざれ言ごとと流すのは自由だ。一方、その何気ない台詞にメッセージ性を見出したり、己の人生の糧とするのもあなたしだいだ。もしかしたら、納得のいかない現状を打破するきっかけとなる金言が混じっているかもしれない。
※本記事は『世間に置いていかれたら平日のサイゼで昼ワインを飲め』(鉄人社)より適宜抜粋したものです。

◆奢られた側はどうせすぐ忘れるから奢るだけ損
49歳男性:ちょっと思い出してください。自分が誰かに奢ったときのことって絶対に覚えてるでしょ。後輩にウナギ食わせて1万以上かかったとか。でも奢られたときの記憶って曖昧じゃないですか。先輩と焼肉行ったけど、ワリカンだった気がするなーって。
要するに、奢った側はずっと忘れないけど、奢られた側ってすぐ忘れちゃうんです。だから奢るだけムダって結論になりますよね。後の見返りが期待できないんで。
奢っていいのは、その後確実にホテルに行ける女性とか、その場ですぐ何かに入会させるときとかだけですよ。
編集部:入会ってのが怖い。変なビジネスでもやってるんでしょうか。
◆攻撃的な人は満足な金を持っていない
50歳男性:「金持ち喧嘩せず」って真実だと思うんです。金持ちってのは何億以上持ってるとかじゃなくて、過不足なく今の生活を送れるって意味ですよ。だから金額は人によって変わってきます。10億持ってても、常に金を稼がなくちゃいけない、足下は火の車って人は、ここで言う金持ちには入りません。で、仮に月給25万だとしても、生活に金銭的な不満を持ってない人って、他人に攻撃的にならないものなんですよ。駅員に文句も言わないし、クラクションも鳴らさない。経済的に充足してると攻撃性ってナリを潜めるんですね。
だから外で怒ってる人を見たら、この人カネがないんだな、もっと頑張れよって思っておけば間違いないです。怖がるんじゃなくて哀れんであげてください。
編集部:財布に何万円も入ってるときも、心が穏やかになるのを感じます。トラブって要らん出費をしたくないという意識が働くのかもしれません。

