新しい地平切り開いた『コレクション アンペリアル クリエイション No.1』
ハイライトは熟練した技能とメゾンの底力が凝集された『コレクション アンペリアル クリエイション No.1』。初の*4ブリュット・ナチュールで、傑出した7種のヴィンテージをアサンブラージュするマルチ・ヴィンテージ的な手法で造られた。8年間の瓶内熟成からくる重層的なテクスチャーと深みがあり、エネルギーが溢れている。ミラベルプラムのコンポート、スモーク、濡れた石、カモミール、塩気を帯びたミネラル感。複雑でハーモニアスな旨味とアロマが反響するフィニッシュは焦点が合っている。スケールの大きなアサンブラージュは膨大なライブラリー・シャンパーニュを抱えるメゾンでしかできないものだ。ステンレスタンクで熟成させたグラン ヴィンテージ 2013年から始まり、洗練された2012年、力強い2010年、凛とした2008年、フルボディの2006年、オーク樽で熟成させた2000年、瓶内熟成させた2004年をアサンブラージュしている。
ゴエズ氏が2003年から取り組み、3通りの方法でシャンパーニュのアサンブラージュに辿り着いた。ステンレスタンクの還元的な若さ、オークで熟した中期的な熟成感、瓶内熟成のリージィな熟成感。プライマリー・アロマとセカンダリー・アロマが 調和を保っている。このシャンパーニュにドザージュが不要と考えたのは当然だろう。全く新しい視点と手法で個性をかけ合わせ、新しい地平を切り開いた。
このトリロジーはさらに発展する。「モエ・エ・シャンドンは伝統的なメゾンではなく、革新的なメゾンである」と語るゴエズ氏の言葉に納得である。

左から 『モエ・エ・シャンドン モエ アンペリアル』
『モエ・エ・シャンドンコレクション アンペリアル クリエイション No.1』
『モエ・エ・シャンドングラン ヴィンテージ 2016』
*1 門出のリキュールを添加する作業
*2 貯蔵してある良作年の原酒
*3 カビ(糸状菌)による病害
*4 補糖を行わない極めてドライな超辛口スタイ
text by Akihiko YAMAMOTO
photographs by Kentaro TAKIOKA

