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薄利多売なら5%でも大健闘…「本当に財務が強い会社」を見抜ける“決算書の一つの項目”

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臨時・異常な損益をあぶり出す「税金等調整前当期純利益」

税金等調整前当期純利益は、臨時異常な出来事に関係する特別利益や特別損失をプラス、マイナスすることで計算される。一般的に、特別利益や特別損失はそれほど大きな金額とはならない場合が多いので、経常利益率と税金等調整前当期純利益率は連動し、それほど違いがない場合が多い。

ただ、違いがある場合には、どのような特別利益や特別損失が大きいのかを確認することが重要である。中でも特別損失が大きい場合は、その原因は確認したい。その原因が自然災害で、継続しているようであれば、場所の移転など根本的な対応も必要になる。

また、事業の見直しなどによる損失や、事業が不振であるために発生した減損損失などが原因である場合には、どの事業に関係するものか、その処理が終了しているのかも確認したい。

このように、特別損失が大きく、また継続している場合は、大きな課題があると考え、その内容や理由、また今後への影響などについて確認することが重要になる。

株主のリターンとROEに直結する最終利益「当期純利益」

法人税等を差し引いた当期純利益率は、株主の取り分である最終利益の率であり、最近重視されているROEのレベルにも深く関係する比率として重要である。

現在の日本の企業では、利益に対する税金の率は約30%である。ただ、企業や業界ごとに活用できる税金の優遇策が違ったり、海外で事業展開している企業は国ごとに税率が違うため、税金等調整前当期純利益に対する法人税等の比率は企業ごとに若干違っている。ただ通常は、30~40%程度となっていることが多い。

PLから経営状況や課題を把握する際の「着眼点」

PLの売上高から営業利益までの状況を見ることで、事業の状況や動き、また課題が見えてくる。

まず、売上高、あるいは営業収益の大きさ、またその伸びは重要なポイントである。売上高の大きさは規模の大きさという意味で強みの1つになる可能性があり、また業界内のシェアにも関係する。

また、企業が成長しているかどうかは、売上高成長率をもとに見ていく場合が多い。同業他社とも比較しながら、特に売上高成長率が他社を下回っている場合には、その理由を確認し、適切な対応をしていくことが重要になる。

次に、利益率やコスト構造は、同じ業界のビジネスモデルが類似している企業同士であれば、通常は似ていることが多い。したがって、類似している優良企業と比較することで、どこに課題があるのか、どこに特徴があるのかといった面でのヒントを得ることができる。

まず、売上高総利益率が低い場合は、価格の設定が低すぎるか、あるいは原価が高すぎるかのどちらかの可能性がある。また、全体としての利益率を高め、販売管理費を「余裕を持って使える」ようにするためには、売上高総利益率を業界のトップクラスのレベルに高めることが重要である。そのためには、価格を適切なレベルに設定して維持し、商品や原材料の購入価格の引き下げや生産効率の向上によって売上原価をコントロールすることが重要になる。

高付加価値な業界ほど「コスト・在庫管理」が甘くなりやすい

また、売上高総利益率の違いは、販売管理費用の管理の厳しさや、棚卸資産の管理の厳しさのレベルにも関係してくる。

例えば、自動車業界のように売上高総利益率が低めの企業の場合は、最終的に一定の利益を確保するために、原価や販売管理費に関するコストの抑制が大きなテーマになる。

また、棚卸資産についても、売上高総利益率が低い企業、つまり原価率が高い企業の場合は、少しの棚卸資産を保有しただけでも大きな金額になる。そのため、棚卸資産を削減することの重要性がより高くなる。

一方で、製薬業界や化粧品業界といった売上高総利益率が高い企業の場合は、販売管理費をそれなりに使っても利益は出るので、研究開発費や広告宣伝費、販売促進費の効果が期待できるのであれば、ある程度使うことも選択肢になる。また、顧客のニーズにタイムリーにきめ細かく対応するために、いろいろな種類の棚卸資産をやや多めに保有することを検討する余地が出てくる。

ただ、一般に、売上高総利益率が高い業界では、売上原価や販売管理費といったコストの管理や棚卸資産の管理が甘くなる傾向もあるといわれている。したがって、このような業界でも一定の営業利益率を確保するための適度なコスト管理や一定の資産効率を確保するための適度な棚卸資産管理は重要になる。

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