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皇室を守るための「茨の道」。新皇族が背負う秋篠宮家の盾という過酷な運命/倉山満

皇室を守るための「茨の道」。新皇族が背負う秋篠宮家の盾という過酷な運命/倉山満

―[言論ストロングスタイル]―

長らく先送りされてきた皇位継承問題が動いたーー。高市早苗首相も「先送りできない喫緊の課題」との認識を示していたものの、紆余曲折が続き、一時は会期中の決着が危ぶまれたが、6月10日、衆参両院の正副議長が「立法府の総意」を決定。皇室典範改正はいよいよ「法案作成」の段階へと踏み出した。皇室史研究家・倉山満氏はここまでの道のりを「薄氷の勝利で全戦全勝、国体を守り切った」と振り返る(以下、倉山氏による寄稿)

高市早苗首相(右)へ皇族数確保の立法府総意のとりまとめを手渡す森英介衆院議長(中央)と関口昌一参院議長
衆参両院の正副議長は10日、皇族数の確保策を検討する全体会議を開き、「立法府の総意」を決定。高市首相に報告した。政府はこれを受け、今国会中の皇室典範改正を目指す方針 写真/産経新聞社

◆皇室典範の改正案、7月までに通過させる予定に

ようやく皇位継承問題で立法府の総意が取りまとめられた。先週来の森英介衆議院議長の言動には、冷や汗を書かされっぱなしだったが。

思えば、菅義偉内閣の有識者会議が「①女性皇族が結婚後も皇室に残る案」「②旧皇族が養子により皇籍取得する案」を提言してからでも5年だ。

基本的には、第一案と第二案を了とする方向で、今後は政府が皇室典範の改正案をまとめ、7月までに通過させる予定だ。

そもそも、国会で何を話し合われていたのか。基を辿れば上皇陛下の御譲位の際に、国会の「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議」に基づき、皇位の安定継承につながる議論を政府が行う運びとなった。

ちなみに、政府の有識者会議では、減少する一方の皇族数への対処に主眼が置かれ、「悠仁殿下までの流れを揺るがせにしない」との前提で、それ以後の皇位継承に関しては慎重な表現に留めている。だから「皇位継承」について話し合われているのだが、建前上は話し合われていないことになっている。暗号のような用語が飛び交っているので、本欄でも何十回と解説してきた。

◆薄氷の勝利で全戦全勝、国体を守り切った

多くの人が「皇位継承問題」を「次の天皇にふさわしいのは、愛子さまか悠仁さまか」と勘違いしてしまったのは、最たる誤解だ。愚かなマスコミが垂れ流した風説である。愚の骨頂が『週刊文春』で、「次の天皇にふさわしいのは誰か」アンケートまでやらかした。あの人たち、世が世なら、三条河原にさらし首だろう。あるいは四条河原か六条河原か。これ、冗談ではない。昭和三十六年にも、中央公論社の社長宅が襲撃され、死者が出ている。暴力によって言論を捻じ曲げるのは絶対に許されないが、三流マスコミや心無いSNSでの発信など、人間としての分を弁えていない言論が、あまりにも多すぎたのではないか。

これで最も大迷惑を被ったのは、愛子殿下である。「愛子天皇論」などの動きがあったが、あれは何だったのか?

はっきり言って、皇室の味方はマスコミでは産経新聞だけ。よくこの状況で、しのぎ切ったものだ。そして政界の大勢は、軽佻浮薄なマスコミを一顧だにしなかった。よく「日本の政治家は~」と言われるが、今回ばかりは世論が間違えて、政治家が正しかった。与野党ともに「令和の和気清麻呂」が大量に現れた。そして薄氷の勝利で全戦全勝、国体を守り切った。

では何が争点だったのか。

現在、次世代の男性皇族は、悠仁殿下ただ一人である。現行典範では、女性皇族は結婚したら皇籍離脱しなければならない。このままだと皇族は減る一方、悠仁殿下にお子様が生まれなければ、皇族がいなくなる可能性すらある。だから、悠仁殿下にお子様が生まれなかった場合に、今から備えようとの話なのだ。

ここで議論の大前提である。世論が「愛子様が女性だというだけで、なぜ天皇になれないの?」などとヒステリーを起こす中、政界は正気だった。なぜか。圧倒的多数が、「先例に基づく議論を行おう」で合意していたからだ。


配信元: 日刊SPA!

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