◆入ってきたのは30歳前後と思われる女性だった

今、ネット上でそんな噂が囁かれている。その女性と遭遇した男性曰く「収入は十分に得ているのにもかかわらず、『性行為が好きすぎて体を売っている』と言っていた」という。何が彼女をそのような行動に走らせるのか。素顔に迫るため、記者が接触を試みた。
教わったサイトに登録し、記者であることを伏せて“噂の女性”にアポを取った。指定されたのは都内某駅近くにある商業施設の多目的トイレ。待ち合わせ時刻は平日の午後2時だった。店内はいつもの昼下がり。主婦が子どもを連れて歩き、老夫婦が買い物をしている。
記者はその光景を横目に彼女から指定された、多目的トイレへと向かった。指定の時刻から3分後、扉が開いた。入ってきたのは30歳前後と思われる女性だった。スーツ姿ではないが、きちんとした身なりだ。鍵をかけると、彼女はすぐに囁いた。
「声、小さくして」
壁の向こうから買い物客の話し声が聞こえていた。彼女は周囲に聞こえないよう声を落としたまま、「前払いで」と金額を提示した。話し声や長時間滞在による通報を恐れてのことだろう。このような場所で噂通りの売春行為を行えば職を失うリスクも当然高いが、記者が現金を手渡すと、間髪入れずズボンのチャックへ手が伸びてきた。
記者はとっさに身を引き、取材であることを告げたが、彼女は動じなかった。
「お金はもらえたから取材でも構わないけど、次の予約もあるから時間が来たら帰るよ」
なんとか話を聞けないかと交渉してみると、またあっさりとした反応が。
「さっきのお金も取材経費なのね。でもせっかくなら、自腹でもう1万円払わない? 残りの数分で最後までしてもいいよ」
その申し出を断り10分たつと、本当に帰ってしまった。そこで彼女に後日、電話取材を申し込んだ。
「電話の時間分、体を売ったほうが得じゃない。同額のギャラをくれるならOKです」
ネット上で囁かれていた「性行為が好き」という印象とは違い、そんな淡々とした様子だった。ただ時間と金額を管理し、粛々と次の予約をこなしていく女性の姿がそこにあった。
◆月に100万円稼ぐ目的なき売春行為
「いいお客さんはすぐ出して帰る人だね。20分とかかけられると、時間がもったいないと感じちゃう」そう語るミキさん(仮名・20代)は、普段は都内の外資系企業で働いている。
「タイム・イズ・マネーで考えてる自覚はありますよ。でも、1時間時給2000円で働くのと、5分Hして1万円もらうんだったら、Hしたほうが圧倒的にタイパがいいじゃないですか」
彼女が出会い系サイトを使い始めたのは5、6年前だという。
「なんで始めたかもよく覚えてないけど、小遣い稼ぎになりそうだなと思ったのかな。借金があるとか、どうしてもお金を稼がなきゃいけない事情は特にないです」
当初は軽い気持ちで始めたが、コロナ禍で会社での時間の融通が利くようになり、活動は加速した。
「移動時間も入れてだいたい30分で1人、1時間で3人会えたら御の字かな。体力があるときは月100万円は稼げてましたね。適当にサラリーマン街とかで募集すると、一瞬で20件くらいメッセージが届くんですよ」
これだけ荒稼ぎしていれば、さぞ派手な生活を送っているのかと思いきや、使い道は意外なものだった。
「好きなものを買ったり海外旅行に行ったりしていたけど、もう物欲がなくなってきた。まとまった貯金ができちゃったんで、今はお客さんに教わった不動産投資に回してます」
そこまでの資産を築きながら、将来の夢や目標は特にないという。
「暇だからやるみたいな感じで。とりあえずお金が大きくなればいいかなぐらいの感覚なので、目標資産額もないですね」
切迫した事情や具体的な目標はないのにもかかわらず、ひたすら体を売り続けているというのだ。

