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駅で通り魔、トランプ氏来訪で大暴動21人逮捕…W杯の決勝を控えたニューヨークで急拡大する「治安崩壊」

駅で通り魔、トランプ氏来訪で大暴動21人逮捕…W杯の決勝を控えたニューヨークで急拡大する「治安崩壊」

◆安全が保たれていない中で、W杯を開幕していいのか?

不穏な事件は市内の他の地域でも起きた。8日午後には市北部のブロンクスで、運行中の市営バスの内で発砲事件があり、41歳の男性が射殺された。容疑者は10代の少年とみられ、男性から「携帯電話の会話の声がうるさい」と注意されたことに逆上し、銃を取り出して発砲したという。少年は逃走している。9日昼過ぎには、ブルックリンの公立高校で17歳の女子高生が手や足を複数回刺された。容疑者はその場で身柄を確保されたが、身元は公表されておらず、現時点で起訴されていない。

本来、安全であるべきはずの場所で安全が保たれていない。そんな中で、W杯が開幕する。
連邦政府はW杯警備のための特別部署を設置して警備にあたっている。FBI(アメリカ連邦捜査局)は2年前から警備の準備を進めてきた。前回のカタール大会後、大会をめぐる脅威はがらりと変わった。警備関係者は、地上でのテロや群衆の動き以外に、ドローンによる攻撃やAIによる偽情報の流布などについても十分な対策を練らなければならなくなった。

変化に対応して準備を進め、1月に連邦と各地の警備関係者が集合して訓練を実施したが、2月にアメリカとイスラエルがイランを攻撃したことで、それまでの警備の想定が一変してしまった。専門家は「戦争状態にある国から、資金援助を受けるテロリストへの対策という最大級の警備が加わった」と指摘する。

トランプ政権のW杯対策本部の事務局長アンドリュー・ジュリアーニ氏は「安全保障の観点から見ると、アメリカ史上、これほど厳しい夏はない」と話している。祝祭ムードの裏側で、W杯警備はかつてない難題に直面している。

【谷中太郎】
ニューヨークを拠点に活動するフリージャーナリスト。業界紙、地方紙、全国紙、テレビ、雑誌を渡り歩いたたたき上げ。専門は経済だが、事件・事故、政治、行政、スポーツ、文化芸能など守備範囲は幅広い。
配信元: 日刊SPA!

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