◆養成所時代と比べて明確な変化も
――事務所に所属してからはどうですか?井上彩:最初の1年は、オーディションに音声のテープを出して応募しても選んでもらえないことが多かったです。ただ、2年目に入ってからはちょっとずつ選んでもらえるようになって、つい最近も「選んでもらえた」と自信になったことがありました。今までやってきたことが実ってきたのかなと思えて。今よりもこの先、もっと仕事ができるようになりたいとモチベーションが上がっているのを感じています。
――事務所から初めて依頼された仕事は?
井上彩:映像の仕事なんですけど、まちのPR動画に出演しました。めちゃくちゃうれしくて、でも、同時に大きな責任と不安も感じました。
養成所時代は、いつも自分を見てほしい、事務所に所属したいという気持ちでいっぱいだったけど、今度は、見てもらえる人にどう見てもらえるか、に考え方が変わったんです。
――声の仕事もされていると思いますが、やはりアニメの声優はやりたいですか?
井上彩:アニメの仕事は変わらずやりたいし、一番の目標です。ただ、昔は声優といえばアニメのイメージが強かったんですけど、自分がいざなろうと決めていろいろなものに触れているうちに、「声の仕事といっても、こんなに幅が広いんだったら、いろいろな仕事をしたい」という気持ちも大きくなっています。
だから、いつどんな仕事を依頼されても大丈夫なように、洋画を観たり、ナレーションを聞いたり、準備をしています。本を読むのも好きで、翻訳された外国の作品を読むと、「映画化されたら絶対に演じたい」と思えるようになって、自分の視野が広がっているのを感じています。
◆夢を追う姿に対して、家族の反応は…

井上彩:映画『ハリー・ポッター』のスピンオフ作品『ファンタスティック・ビースト』です。いままで3部作まで映画になっていますが、もし続編の映画化が決まったら、そのときは日本語吹き替えでぜひ出演したい!と思っています。1つの大きな目標です。
――『ザ・ノンフィクション』では、30歳を過ぎて声優の夢を追う井上さんを心配する実家のご両親も出演されました。親御さんは、自分たちのそばにいてほしいという思いもあるように思いますが、応援してくれていますか?
井上彩:両親は応援してくれているか分かりませんが、多分、いろいろ言いたいことはあるけど、今は目をつむって見守ってくれているという感じでしょうか。お姉ちゃんはめちゃくちゃ文句を言いますが(笑)、同じように見守ってくれていると思います。
実家には、おばあちゃんもいて、父と母も60歳を過ぎて高齢になってきているので、なるべく帰省するようにしています。やっぱり私も両親のことが心配で、両親も私のことを心配してくれていると思うので。
<取材・文/たかなしまき>
【たかなしまき】
愛媛県出身。フリーライター。社会をよりよくするために活動する方々も陰ながら応援。新しい発見をすること、わくわくすること、伝えることが好き。こしあん大好物です。

