
2026年6月12日、イーロン・マスク氏が2002年に創業した米宇宙開発・通信企業「SpaceX」の上場が決まり、大きな話題を呼んでいます。しかし、活況を呈しているのはSpaceX単体にとどまらず、実は宇宙業界全体に投資の熱が波及しています。本記事では、YouTubeチャンネル登録者数40万人超の人気FP・鳥海翔氏が、宇宙ビジネスが注目されている「3つの理由」と、2026年後半に注目の「宇宙関連ファンド」5選を紹介。さらに、宇宙関連銘柄をポートフォリオに組み込む際の注意点についても解説します。
宇宙ビジネスに投資マネーが向かう「3つの理由」
近年、宇宙ビジネスは急速に注目度を高めています。2026年6月にはSpaceXの上場が決定し、業界全体が盛り上がりを見せています。宇宙ビジネスは2035年頃には現在の事業規模の3倍程度に成長すると予想されており、きわめて高い成長が期待されています。
宇宙が熱い理由は、大きく3つの要因が考えられます。
1.宇宙は夢の話から生活インフラへ
従来、宇宙というと月への到達や火星移住といった、現実から遠い空想上の話と捉えられていました。
しかし現在では、衛星インターネットやスマートフォンのGPS、災害監視、防衛、船や飛行機の通信など、日常生活に欠かせない基盤として機能しています。世界の宇宙ビジネスの市場規模は2023年時点で約6,300億ドルでしたが、2035年には約1兆8,000億ドルまで拡大するという見方もあるほどです。
2.打ち上げコストが低下し、衛星の数が急増している
2025年の世界全体の軌道投入成功数は、321回前後という集計が確認できます。Starlinkの衛星網は急速に拡大し、2026年6月時点では、運用中のStarlink衛星は1万基を超え、約10,500〜10,600基規模に達しています。
また、衛星を利用したインターネット利用者(スターリンク)は前年比で62%増加しており、衛星技術は急速に進化しています。
3.民間企業だけでなく、政府や防衛の資金が流入している
SpaceXは2026年5月にアメリカの宇宙軍と契約を締結しました。具体的な契約内容としては、空の脅威を探知・追跡できる衛星プログラムが41億6,000万ドル、軍のシステムを接続する高速通信ネットワークが22億9,000万ドルとされています。国家レベルでの大規模な投資により、宇宙産業の安定性が確保されています。
「宇宙関連ファンド」5選
SpaceXの上場に伴い、周辺の宇宙関連企業にも資金が流入しています。Rocket Lab、Planet Labs、Intuitive Machinesといった宇宙関連企業への注目が高まっています。こうしたなか、具体的に資金が流入しているファンドの事例として、以下の5つが挙げられます。
(1)SMT MIRAIndex 宇宙
「宇宙」というテーマに広く投資をするインデックスファンドで、信託報酬は0.77%の低コストです。過去のリターン実績をみると、直近1年で45%、3年で34%、5年で25%となっています。
(2)グローバル・スペース株式ファンド(1年決算型)
積極的な運用姿勢を特徴とする1年決算型ファンドです。投資会社ARK Investの助言のもとポートフォリオが構成されており、投資対象は宇宙に限らずAMDやAmazon、Googleなど広めになっています。
ARK Investといえば、2020年頃にテスラへの大規模投資をしたことで知られています。過去1年で87%、4年で40%、5年で16%のリターン実績があり、ハイリスク・ハイリターンであることがわかります。信託報酬は1.925%と高めです。
(3)東京海上・宇宙関連株式ファンド(為替ヘッジなし)
宇宙全体を対象とするアクティブファンドです。過去1年で72.6%、3年で44.24%、5年で24.32%のリターンを実現しており、短期および長期の両面で優れた成績を上げています。信託報酬は1.8425%です。
(4)ニッセイ宇宙関連グローバル株式ファンド
過去1年で28.36%、3年で24.56%、5年で17.06%のリターンに対して、信託報酬は1.8975%と高く、コストに見合ったリターンが得られていません。宇宙産業全体の成長に惑わされず、個別ファンドの選定が重要であることを示す事例です。
(5)eMAXIS Neo 宇宙開発
過去1年で129.99%、3年で48.67%、5年で31.1%という極めて高いリターン実績を有しており、信託報酬も0.792%と低いものです。ただし、現在は販売停止となっており、新規購入はできません。
