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「主要キャストが10年間変わらない」新人声優が直面する「新規参入困難」な業界の舞台裏

「主要キャストが10年間変わらない」新人声優が直面する「新規参入困難」な業界の舞台裏

◆新規参入が難しい声優業界の構造

――井上さんが所属される事務所・代表の佐藤さんにお聞きします。佐藤さんは、「一回ダメとなった子にもチャンスを」というお話で、井上さんをスカウトされたそうですが、どんな理由からですか?

佐藤壮:僕はもともと声優の専門学校で、10年ほど教務をしていたんです。そこでは、2,000人くらいの受講生を声優やアニメの世界へ送り出しました。一方で、声優業界は事務所が200社くらいあるといわれていて、養成所だったら2年ほど通って、その後、テストを受けて合格すれば事務所に所属できます。事務所に所属してからはレッスンを受けたり、別の養成所に通ったりする子もいます。

時間をかけてレッスンを受けて、ようやく仕事が依頼されるというのが声優業界のシステムなのですが、例えば2年間、事務所に所属してレッスンは通ったけれど一度もオーディションを受けられなかった、という子がいるのも当たり前だとも言われています。

養成所時代は、育てた子たちが事務所に入ったものの辞めていったことも多かったので、それなら自分がチャンスを提供できる環境をつくりたいと思って、2023年10月頃に事務所をスタートしました。その後は、ありがたいことに映像の仕事やオーディションの話が増えてきて、ただ、人材が不足していたなかで、井上さんにSNSでお声がけさせていただきました。

基本的に、他の事務所から引き抜きはしないでおこうと思っていたので、事務所に所属せずフリーランスで活動されている方に絞り、SNSで発信されているような頑張っている方をと思って、井上さんにDMを送りました。その後、井上さんと実際に会って話をして、熱量の高さと人柄のよさを感じたのでオファーしました。僕は、教務歴が長いので、技術面を成長させてあげる自信はありますが、人間性については変えることが難しいので、人柄はとても重視していました。

◆「50代」でも高校生を演じる世界

――声優業界は厳しいと聞きます。

佐藤壮:やはり芸能界のような一面があるので、チャンスをつかめるかどうかが肝心で。テレビに出られる人もほんの一握りなんです。アニメも今はたくさんありますが、出演される声優さんは、少なくともこの10年ほどをみても、変わらず同じ方が務めていることが多い。身体能力を問われるわけでもなく、息の長い職業でもあるので、新しい世代や新興の事務所にとって壁がめちゃくちゃ高くて、新規に参入するのはなかなか難しいんです。

――声自体、老けにくいかもしれないですね。

佐藤壮:役者は年齢とともに外見が変化しますが、声は基本的にずっと一緒で。もちろんその陰には、声優さんたちのたゆまない努力がありますが、例えば、50歳、60歳になっても高校生の声ができる人もいます。そうなってくると、新しい人が入りにくいという難しさも声優業界にはあるかなと思っています。

――井上さんは、そんな厳しい世界で頑張っているんですね。井上さんは、普段、何か声優の仕事のために気を付けていることはありますか?

井上彩:毎日、短い時間でも必ず発声練習をしています。喉が乾燥しないように、自宅では空気清浄機や加湿器は常にそばに置いて。また、喉が本調子になるまでには、起きてから4時間くらいかかると言われているので、稽古や朗読劇の本番、収録があるときには万全の状態で臨めるように、どんなに朝が早くても4時間前には起きるようにしています。仕事の前日にはお酒を飲まないようにもしています。

あと、『ザ・ノンフィクション』の撮影終了後、不摂生で10kgくらい太ったんですけど、太っちゃうと疲れ具合も全然違うって聞いてからは、体重を戻しました。子どもの頃から続けているバレーボールの頻度を増やしたり、自炊を習慣にすることで自然と体重が戻りました。以前は、平日、派遣の仕事が終わってから朗読劇の練習に参加したりすると自炊が難しくて、結局、簡単な食事を買って食べることが多かったんですけど、一度にまとめておかずを作って、冷凍ストックすることで自炊できるようになりました。


配信元: 日刊SPA!

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