◆杖を振り上げ暴走……中年女性の正体は?
サトウさんがいくら説明してもキレるばかりの中年女性客は、怒りに任せてさらに暴走。「その女性客の要求を突っぱねていると、彼女はいきなり杖を頭上まで上げ、カウンター越しの私に向かって、振り下そうとしてきたんです……!
私はあまりに突然のことでその場に固まってしまいました。“もうダメだ、殴られる”と思って目を閉じ、覚悟したその瞬間です。
『おい!何してんねん、おばちゃん!』と若い男性の声が聞こえ、ゆっくり目を開けてみると……。ちょうど休憩から戻ってきた同僚の男性が、その女性客を取り押さえてくれていました。本当に間一髪でした……」
それでも、「私のタバコ、間違えたあんたが悪いんやろ! 責任とれ!」と女性客はサトウさんを執拗に責めて、暴れ続けたのだとか。
「そんな店内の騒ぎを聞きつけ、市役所の警備員の男性もコンビニに駆けつけました。屈強そうな警備員を見て、その女性客はようやくおとなしくなっていましたね。
警備員は呆れた表情を浮かべながら、『おばちゃん、またあんたか……』と、女性客を店の外へ連れ出していきました。そして警備員に連れて行かれる際もその女は、『あんたが早よタバコよこさへんからや……』と、最後まで恨めしそうに私をにらみつけていましたよ」
その後、止めに入ってくれたアルバイトの男性に話を聞くと、その中年女性客は、この店では有名な“カスハラ客”だったという。
「その中年女性客は、新人店員の姿を見ると毎回同じ手口でタバコを盗もうとする人なんだそうです。騒動の後、彼女の姿を見かけることはなくなりました」
―――新人店員に無理難題を押し付け、困惑させるような迷惑な“カスハラ客”。
“お客様は神様”なんて言葉もあるが、こうした悪質客には毅然とした態度で接する必要がある。
(取材・文=瑠璃光丸凪/A4studio)
【瑠璃光丸凪】
編集プロダクションA4studio(エーヨンスタジオ)所属のライター。興味のあるジャンルは、アングラ・音楽・ファッションなどサブカルチャー全般と、ジェンダー問題、政治経済問題について。趣味はレコード集め。

