◆授業をボイコットして家出したことも
――精神的に自立していますね。黒跪:それはあるかもしれません。昔から母に「勉強をしなさい」と言われたことはなくて。でも自分からやるタイプの子でした。成績も高校3年間ほぼトップで、3年生時には学年の最優秀生徒として表彰されたんです。
勉強自体は好きだったのに、小学生のときの担任の勉強の押し付けが本当に嫌で、友人と授業をボイコットしてそのまま家出しました。自転車で千葉県から埼玉県まで行って。私はすがすがしい気分だったのですが、ふと友人をみると、「帰りたい……」と言い出して。それで私たちの反抗の旅は終わりました。
――大人びているのに面白くもあるエピソードです。シングルマザーだったお母様は、そのあと、いろいろな異性と交際する。
黒跪:モテるんでしょうね。私の父と離婚したのち、一度結婚したのですがまた離婚し、いろいろな男性が家を出入りしていました。はっきり自覚したことはないものの、たぶん当時の私は嫌だったのでしょうね。
――そのわりにはお母様に対してネガティブな感情がないですよね。
黒跪:そうですね。1つはあまり私自身が「お母さんらしくいてほしい」みたいな期待をしていなかったことが大きいでしょうね。もう1つは、母の立場にたてば、男性に頼らずに子ども2人を育てたのはすごいことだと思うんです。弟は軽度であるもののハンデがあり、やはり心配事も尽きなかったと思います。私は恋愛対象が男性ですが、向ける目は男性に対してのほうが厳しい自覚があります。
◆バイト先でのトラウマ体験
――並大抵の男性では満足できない?黒跪:というよりも、モラハラなどをすぐに見抜けるんですよね。子どものときも、ヒステリーを起こす母に対してよりも、母と喧嘩をするような男性に対してのほうが厳しい目でみていました。
――モラハラを見抜くポイントは何でしょうか。
黒跪:たとえば女友だちと彼氏の会話を聞いていると、何となく分かるんですよね。あえて言語化するなら、「女性を小馬鹿にしている」しゃべり方というのでしょうか。その女性を愛おしく思って、可愛くて、からかってしまうというのとは違った物の言い方というか。
――実際に的中したことも多い。
黒跪:だいたい当たります。そのときは女友だちもモラに気づいていないし、言っても無駄なので言わないこともあります。ただ、のちによくよく話を聞いてみると、「あぁやっぱり」ということが多いですね。モラハラ気質のある男性は、女性もそうだし、もっといえば人類すべてを見下しているようなところがあります。だから、男性の内面としてタイプを挙げるなら、「人類に優しい人」になると思います。
――ご自身も、男性からの被害に遭ったことがあるのでしょうか。
黒跪:私の場合、モラハラではないのですが、高校時代のアルバイト先で当時の副店長から好かれてしまったことがありまして……。当時、副店長が今の私と同じくらいの年齢だったので更に驚くのですが。普通に業務をしていただけなのに、「付き合いたい」とかメールで送られてきたり。あるときは、夜中に「自宅マンションのそばに車を停めているから、少し会えない?」と連絡がきたんです。アルバイトとは言え仕事関連の人なのでむげにもできず、車に乗ったんです。そうしたら、キスをされました。そのときは「いやいやいや……」みたいに穏便に済ませたのですが、今考えると犯罪ですよね。
――とんでもない話ですね。
黒跪:関連するかはわかりませんが、SNSを見ていて男性が発する言説に対して今でも「キモいな」と思ってしまうことは正直、多々あります。

