今回は、電車内で配慮を欠いた行動にモヤモヤしたものの、最後には少しだけスカッとしたという2人のエピソードを紹介する。
◆後ろから突然背中を押されて…

「ホームにはたくさんの人が並んでいて、私の前にも10人くらい並んでいました。かなり混雑していましたが、いつも通り流れに沿って電車に乗ろうとしたのですが……」
そのときだった。真後ろにいた乗客から、明らかに手で押されたという。
「突然、背中に強い衝撃を感じたんです。通勤ラッシュなので、普段から肩や肘がぶつかることはあります。でも、そのときは明らかに違いました」
田中さんは、普段からリュックを前に抱えて乗車しており、背中には何も背負っていなかった。そのため、手のひらで押された感覚がはっきりとわかったそうだ。
電車に乗ってから一瞬後ろを振り返ると、押してきた男性と目が合った。
「腹が立ちましたね。押し返してやろうかと思いましたけど、満員電車だし、ここで揉めたら周りの人に迷惑がかかるので我慢しました」
田中さんは「何か別の方法はないか」と考えていたという。
◆無言の抗議を続けた結果…
そこで思いついたのは、“相手を見つめ続けること”だった。「電車に乗った後、その男性と向き合ってひたすら目を見ていました」
男性も最初は田中さんのほうを見返してきたが、すぐに目を逸らしたという。
「それでも私は、目を逸らしませんでした。そうしたらその男性は徐々に居心地が悪そうな表情になって、下を向いたままになりまして。私は『最後まで絶対に目を逸らさないぞ!』という気持ちでしたね」
そのまま数駅が過ぎ、電車は目的の駅へ到着。すると、電車を降りる直前にその男性が「すみませんでした」と小さな声で言ったという。思わぬ謝罪に、田中さんは驚いたようだ。
「揉めることなく終わりましたし、少しだけ気持ちが晴れました。もちろん最初から押さなければ済む話ですが、男性なりに反省した様子は伝わってきたのでよかったです」

