2.サンクコストは度外視…成功する社長は「損切り」が早い
手元にお金が残らない社長ほど、過去の失敗を素直に認められない傾向があります。「いまやめたら負け」「これまでの投資がムダになる」といった感情に縛られ、不良在庫や赤字事業を抱え続けてしまうのです。
一見費用がかかっていないように見える不良在庫であっても、保管スペース代や固定資産税、メンテナンス費用などの目に見えないコストがキャッシュを奪い続けています。
成功する社長は、過去にいくらお金をかけたかという「埋没費用(サンクコスト)」を無視して考えます。「いまある資産が将来現金を生み出す力があるかどうか」だけを考え、なければ思い切って損切りをするのです。
しかも、こうした損切りは会社を守る有効な節税対策にもなります。使えなくなった資産を処分したり価値を下げたりすると会社の「損失」として計上されます。損失が発生すればその年の利益を圧縮でき、支払う法人税を減らすことができるのです。
具体的には、使っていない機械やソフト、車などを物理的に廃棄し、帳簿上の価値を全額経費として落とす「除却損」や、売れる見込みのない在庫について帳簿上の価値を下げる「評価損」があります。ただし、いずれも「税務調査」に備え客観的な証拠を残しておく必要があります。
3.黒字倒産を防ぐ「出口戦略からの逆算」と資産運用を実践
最終的なゴールを考えずに会社のなかにお金を貯めこむと、純資産が膨れ上がり、自社株の評価額が跳ね上がります。自社株評価が高すぎると、後継者に莫大な贈与税や相続税が降りかかり、最悪の場合、「黒字企業の承継倒産」に陥ってしまうのです。
この点、成功している社長は、事業の出口戦略から逆算して、現金をBSの外に「簿外資産」として退避させています。そして、会社の資金繰りが厳しくなったときや事業承継のタイミングで、そのお金を会社に戻せるようにしているのです。
具体的には、「経営セーフティ共済」や「オペレーティングリース」などが挙げられます。
経営セーフティ共済
毎月の掛け金を全額経費として落としながら、最大800万円まで積み立てることが可能です。40ヵ月以上加入していれば、解約時に全額戻ってきます。ただし、税制改正により2024年10月以降に解約した場合、その後2年間は再加入しても掛金を経費(損金)として算入できなくなった点には注意が必要です。
オペレーティングリース
航空機や船舶などの巨大な減価償却資産に組合を通じて投資し、リース料を得る仕組みです。数千万円から数億円単位で投資でき、その費用を初年度から数年で損金算入できるため、利益を先送りすることができます。また、最終的な出口として社長個人の退職金として受け取れば、税金が優遇され手元に大部分を残すことができます。
