◆人間の善悪を決めるのは国籍ではなく「個」
世間はやたらと外国人に厳しい。「国に帰れ」「迷惑だ」「外国人優遇が過ぎる」という過激な言論ばかりがよく目立つ。だが、彼らの力なしに店や産業が回るだろうか。東京から離れた今も、旅館や飲食店で懸命に働く外国人を見かけて胸が痛くなる。文化の違いによって目が曇ることもあるが、人間の善悪は国籍ではなく、その人個人の性質(ネイチャー)によるものだ。差別や排外の矢を放てば、それは巡り巡って自分の頭に突き刺さる。
自分が不自由なく利用している店、建物、道路に至るまで、彼らの力添えがあって初めて存在している。その事実を思い出すことが、心ない言葉を吐いてしまう社会の冷たさを溶かす一歩になると信じている。
<TEXT/千馬岳史>
【千馬岳史】
小説家を夢見た結果、ライターになってしまった零細個人事業主。小説よりルポやエッセイが得意。年に数回誰かが壊滅的な不幸に見舞われる瞬間に遭遇し、自身も実家が全焼したり会社が倒産したりと災難多数。不幸を不幸のまま終わらせないために文章を書いています。X:@Nulls48807788

