◆日本代表にとっての懸念材料は?
一方で、揺るぎない事実も存在する。指揮官の交代によって選手の個の技術が突如として向上する現象は起きない。初戦の大敗時に比べて攻守の切り替え(トランジション)の鋭さや組織の連動性が高まる可能性はあるものの、根本的なスピード不足や連携の粗さは急には隠せない。特に後方からのビルドアップにおける技術的ミスや、パスの過程でボールウォッチャーになる悪癖は顕著だ。一歩間違えれば致命傷になりかねないハンニバルにボールが渡る前に、前線からのハイプレスをハメにいく戦略は極めて有効と言える。日本代表にとっての懸念材料は、ケガだ。オランダ戦で膝を痛めた久保建英の欠場が確定し、日本代表の台所事情は極めて厳しい局面を迎えている。後がないチュニジアが死に物狂いで激しい球際を挑んでくるはず。だからこそ、日本としては徹底したテンポの速いパスワークで的を絞らせないようにしたい。前半のうちに複数ゴールを奪って相手の心を折り、無用な肉弾戦を回避しながら試合を終わらせる形が理想のシナリオとなる。
オランダ戦は勇気や忍耐力が試された試合だったが、チュニジア戦では臨機応変にチームの意思を統一できるかが肝。団結力が試される試合になりそうだ。
<TEXT/川原宏樹>
【川原宏樹】
スポーツライター。日本最大級だったサッカーの有料メディアを有するIT企業で、コンテンツ制作を行いスポーツ業界と関わり始める。そのなかで有名海外クラブとのビジネス立ち上げなどに関わる。その後サッカー専門誌「ストライカーDX」編集部を経て、独立。現在はサッカーを中心にスポーツコンテンツ制作に携わる

