◆施設を広告媒体に見立て、利用を無料にする試みも
併設型のコインランドリーは、今後どのように進化を遂げていくのだろうか。ムガマエ代表取締役社長で経営コンサルタントの岩崎剛幸氏は、その方向性を大きく二つに整理する。「一つはすでにある『コインランドリー×〇〇』という併設業態。カフェ、カラオケ、床屋など別のものと組み合わせることで客層は広がり、収益化が期待できるので、バリエーションを含めて確実に広がっていくでしょう。もう一つは別の事業で利益を出して、コインランドリーの利用価格を下げていくというやり方です。たとえば宮崎県に本社を置くコインランドリーの大手『WASHハウス』は過去、タッチパネルの大型モニターをつけたオリジナル洗濯乾燥機を開発しています。根底にあるのは、コインランドリーの施設そのものを広告媒体にするという『リテールメディア』の発想です。コインランドリーは滞在時間が長い分、広告を見る時間が長い。利用者も地域の方が多いので、住民にとって有益な情報を流せば大手企業が広告を出すよりも高い効果が狙えます」
コインランドリーはもはや、洗濯をするだけの場ではない。ビジネスや地域コミュニティ作りにおける最先端の「社会実験場」となりつつあるのだ。
岩崎剛幸(いわさき・たけゆき)
ムガマエ株式会社 代表取締役社長/経営コンサルタント。1969年、静岡市生まれ。船井総合研究所にて28年間、上席コンサルタントとして従事したのち、同社創業。流通小売・サービス業界のコンサルティングのスペシャリスト
<取材・文・撮影/松岡瑛理(本誌)>
【松岡瑛理】
一橋大学大学院社会学研究科修了後、『サンデー毎日』『週刊朝日』などの記者を経て、24年6月より『SPA!』編集部で編集・ライター。 Xアカウント: @osomatu_san

