大企業や公務員に人気が集中…若年失業率の高さは「雇用のミスマッチ」が原因
若年層(15~24歳)の失業率をみると、2014年以降は10%を超えて推移していましたが2021年以降は下落しています。日本は2003年には一時的に10%を超えたことがありましたが、その後はおおむね一貫して失業率が低下してきました。
ただし、2020年以降は横ばいで推移しています。近年は韓国の若年失業率が下がってきましたが、日本より韓国が高い状況は続いています。
韓国で若年失業率が高い理由として雇用のミスマッチを挙げることができます。若年層の就職先としては給与水準が高い大企業、安定している公企業や公務員の人気があります。一方、中小・中堅企業は就職先として敬遠され、この傾向は日本より強いと考えられます。
大企業の人気が高い理由のひとつは高い給与水準です。統計庁によれば、20歳代では中小企業で働く労働者の所得は大企業の65%です。そしてこれが40歳代では48%、50代では43%と年齢が高まるごとに所得格差が広がります。
大企業に落ちても卒業後に再チャレンジ。中小企業は深刻な人材不足に
若年層の就職先として人気が高い大企業は、1997年の通貨危機以降に正社員の採用を減らしています。一方で、大企業志向が特に強い大卒者は近年の進学率の大幅な高まりにより増えています。当然、大企業に就職できない若年層が出てきますが、これら若年層の多くは中小企業に目を向けず、卒業後も大企業への就職を目指す、あるいは公務員や資格試験を目指す傾向にあります。
大企業優先の産業政策が続き中小企業が育っていないことも若者が敬遠する理由です。若年層の職場が不足しているわけではなく、中小企業は深刻な人材難に陥っており、雇用のミスマッチが若年失業率を押し上げています。
[図表3]日韓の15~ 24歳の失業率:2000~2024年 (出所) 韓国は国家データ処「経済活動人口調査」、日本は総務省「労働力調査」により作成。
[図表4]年齢層別の大企業と中小企業の月平均所得(税引前):2023年 (出所) 国家データ処「働き口行政統計」により作成。
高安 雄一
大東文化大学経済学部教授
