◆「悲しいの類義語は?」と聞かれた高校生の回答
しかし、先日私がある学校で「悲しいの類義語は?」と聞いたところ「ぴえん」「萎える」以上の表現が出てこず、大変驚かされました。非常にライトな悲しみしか背負っていないこともあるでしょうが、本当に胸が張り裂けそうなほどの苦しみに襲われたとき、彼らはその現実をどのように受け止めるのでしょうか。
やはり、語彙はあったほうがよい。
とはいえ、勉強はめんどくさい。単語帳を開くなんてもってのほか。だからこそ、自分よりも語彙が豊富な人と会話をするとか、知識人の書いた文章を読んでみる。
すると、ひとつやふたつは知らない言葉が出てくるでしょう。これを、面倒くさがらずに調べる。この積み重ねによって、語彙は広がり、思考が広がる余地が生まれます。
「本を読むと頭がよくなる」なんて言われますが、恐らくこのせいではないでしょうか。
ショート動画に放置ゲームなどインスタントに快楽が得られる現代で、わざわざ疲れる読書なんてやりたくないのが本音でしょうが、思考力はどんどん落ちていきます。
やがて「嬉しい」「悲しい」以上の感想を述べられないまで退化してしまえば、もはや自我と呼べる意識すら見えなくなってしまうかもしれません。
時間がない現代人とはいえ、新書一冊程度なら一週間もあれば読み切れるはず。
コツコツと……なんて、タイパが悪くてあまり流行らないでしょうが、こういった地道な努力が、いつか実を結ぶのではないでしょうか。
<文/布施川天馬>
―[貧困東大生・布施川天馬]―
【布施川天馬】
著述家、教育ライター。 一般財団法人「ドラゴン桜財団」評議員。 1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を編み出し、一浪の末東大合格を果たす。著書に最小コストで結果を出すノウハウを体系化した『東大式節約勉強法』、膨大な範囲と量の受験勉強をする中で気がついた「コスパを極限まで高める時間の使い方」を解説した『東大式時間術』など。株式会社カルペ・ディエムにて、お金と時間をかけない「省エネスタイルの勉強法」などを伝える。MENSA会員。(Xアカウント:@Temma_Fusegawa)

