子どもからの支援が期待できず、経済的に困窮する高齢者が増加
2018年の自殺死亡率を年齢階級別にみると、10歳代と20歳代は日本とそれほど差がありません。しかし30歳代から韓国が明確に上回るようになり、70歳代では韓国が日本の2.1倍、80歳代以上では2.9倍と大きく差がついています。韓国では80歳代以上の自殺死亡率が50を超えており、他の年齢層と比較して突出して高くなっています。
80歳代以上の自殺死亡率は1995年には28.5でしたが、2024年には53.3となっています。韓国では年金制度が依然として成熟していないなか、従来は子が仕送りで高齢の親の生計を支えていました。しかし高齢者を私的に支えてきた世代の生活が雇用の流動化や教育費負担で厳しくなってきました。高齢者の自殺死亡率が高まった背景には、子からの支援が期待できなくなり経済的に困窮する者が増えたこともあるようです。
[図表3]日韓の自殺死亡率〈日韓の人口10万人当たり自殺者数〉:1978~2024年 (注)韓国の数値は1983~ 2018年のものである。(出所) 日本は厚生労働省および警察庁資料、韓国は国家データ処データベースにより作成。
[図表4]日韓の年齢階級別人口10万人当たり自殺死亡率:2024年 (出所) 日本は厚生労働省および警察庁資料、韓国は国家データ処データベースにより作成。
高安 雄一
大東文化大学経済学部教授
