
“セクシー女優・範田紗々”はどのようにして生まれ、なぜその世界を去っていったのか。これまであまり語られることのなかった真実を、このインタビューで大公開。今だからこそ語れる当時の本音と、現在の心境を深堀りさせてもらった。
◆グラビアアイドルを続けていたのは「他にやりたいことがなかったから」

「もう、干支が2回まわっています。ほぼ四半世紀だ(笑)!」
――デビュー時は17歳の女子高生でしたよね。
「バイト帰りに渋谷で『アイドルになりませんか?』と声を掛けられたんですよ。グラビアを撮ることも『若いときの良い思い出になるよ』と言われて、私はそんなに深く考えることなく、『お見合い写真に使えるかな~』ってアルバイト的に活動を開始したんです」
――当時のグラビアって、かなり過激なものが多かった印象がありますが、抵抗感はなかったのでしょうか。
「確かに手ブラの写真くらいはないと……の時代でしたね。でも、私は恥ずかしいよりも『こういうのが流行ってるんだ~』くらいのノリで受け入れていました(笑)。周りの女の子がファミレスとかで働いているのと、変わらない感覚でしたよ」
――「有名になりたい」とは思っていなかったのですか?
「なかったですね。当初は高校を卒業する1年半後には終わらせるつもりでした。グラビアを辞めたら大学に行って就職して結婚して、みたいな。芸能界だと、一番難しい人生を歩んでいくことになると思っていましたし(笑)。結局はそのまま続けることにしたのですが、それも他にやりたいことが何もなかったから、というだけです。
実際、子どもの頃から母にも“なにもしたいことのない子”と思われていたし、卒業アルバムに将来の夢を書くときは毎回困っていました」
――つまり、流れに身を任せていた?
「そうです。私は自分で考えて決めるよりも、誰かに敷いてもらったレールに乗っかる方が向いている性格なんだと思いますよ。結果、そのおかげでバラエティ番組やVシネマに出られたりもしていますからね」
――2006年公開の映画『東京大学物語』ではヌードデビューも果たしています。
「そうそう。公開に合わせて雑誌や写真集でもヌードを解禁したんですよ。セクシー女優としてのデビューは、その年の7月になります」
◆引退作では辞めたくなくて大号泣

「当時の事務所に『セクシー女優としてデビューをさせませんか?』と、ソフトオンデマンド(SOD)から連絡があったんです。最初は事務所も『とんでもない!』と断ったらしいのですが、最終的には話を聞いてみようという流れになりました」
――セクシー女優の仕事に興味はあったのですか?
「そのときはぜんぜんなかったですね。SODとの初めての打ち合わせの際も、ピンときていなくて『はぁ……』って感じでした。でも、その頃人気絶頂だった夏目ナナさんのDVDを見せてもらって、あまりにもキレイなパッケージでビックリしたんですよ。裏を見れば確かにそういう行為はしているんですが、彼氏と普通にシテいるのとあまり変わらない感じだったので、『私が知ってるのとは違う!これならできるかも!』って思ったんです」
――範田さんの中で、セクシー女優ってどんなイメージだったのですか?
「なんか、白目剥いてガンギマリみたいな……。あの当時に付き合っていた彼氏が持っていたDVDがそんなのばかりだったせいですね(笑)。
ただ、私は1~2本出した後にポイってされるのだけは嫌だったんです。でもSODは『引退まで面倒を見ます』と豪語してくれていたし、何かあっても警察に行けばなんとかなるだろう、という考えで、デビューを承諾しました」
――そこから4年間、専属女優として多くの作品に出演し、2010年7月に引退を発表。人気絶頂のさなか、なぜ引退をすることになったのでしょうか。
「いや、私はぜんぜん辞めたくなかったんですよ?でも急に『あと8本撮ったら辞めよう』と言われたんです。そのときに撮ったのが42本目の作品。つまり、50本目を区切りに引退という宣告でした」
――範田さん自身の意志ではなかった?
「はい。私は辞めたくなくて、引退作でも『嫌です!』と号泣しています。正直、こんなに楽しい仕事があるなんて、アイドル時代は想像もしていなかったんですよ。作品の中では、普通ならできないことができるじゃないですか。撮影のたびに『今から合法でイケないことをするんだ!』とワクワクしていました。それが終わってしまうなんて……。
ただ、SODとしては『セクシー女優を辞めても、その先に活躍の場がある見本になって欲しい』という想いがあったようです」
――親心ともいえるかもしれません。
「実際、今もあの頃のスタッフさんたちが私の面倒を見てくれていますしね。引退から16年経って、当時のことはちょっとずつ記憶が薄れてきちゃいました。早くいろんな人に聞いてもらわないと、完全に忘れちゃいそう(笑)!」
――でも、セクシー女優引退後もタレントとして活躍を続けていますよね。
「あれからずーっと、改めてブレイクするわけでも、どん底に落ちるわけでもなく、平熱の状態で活動していますね(笑)。それでも、来年は25周年を迎えるので、ファンの人たちに向けて特別なグッズを作ることを構想中です」

