
◆「生意気だ」と意見されたことも
――率直に伺いますが、メディア露出が多いと叩かれることも多いですか。小沢樹里:そうした側面はあります。当団体の松永拓也などは、SNS上で誹謗中傷をされたことが何度かニュースにも取り上げられていますよね。松永の場合はかなり顕著だとは思いますが、多かれ少なかれ、被害者遺族が心ない言葉に傷ついてきた歴史はあるのではないでしょうか。
――悲しいことです。
小沢樹里:私の話でいえば、犯罪被害者として活動をし始めたころ、わりと異端の存在だったこともあり、お叱りを受けることが多かった記憶があります。
――といいますと?
小沢樹里:犯罪被害者の先達には、「行政や捜査機関と馴れ合うのはご法度」という空気を纏う人たちもいました。それには理由があります。そもそも、行政や捜査機関の対応が万全とは言えないから、傷ついた犯罪被害者たちが自分たちで立ち上がらなければならなかった歴史があります。多くの犯罪被害者の方々が声をあげたからこそ、一部においては法改正を成し遂げることができたのです。こうした諸先輩がたの活動には心から感謝し、また敬意を持っています。
一方で、私が犯罪被害者になってしまった時点では、犯罪被害者等基本法(2004年)がすでに成立しており、もちろんそれだけですべてを網羅できているわけではないものの、犯罪被害者が置かれた状況を社会が少しずつ理解してくれるフェーズに入っていました。
そうしたなかで、私が必ずしも行政や捜査機関と対立的な態度を取らないことを批判する声が耳に届くこともありました。たとえば、私が遺族として記者会見をした際には、「生意気だ」という声もありました。
◆「相手に感謝をする」ことを忘れない

小沢樹里:非常に悲しい思いをしました。同じ立場なのにわかり合えないと、余計に辛さが大きくなりますね。そうした悩みは、多くの犯罪被害者が抱えているところだと思います。一方で、私が活動をしていくうえで大切にしたのは、行政であっても捜査機関であっても、「相手に感謝をする」ということです。捜査をして、進捗を教えていただくことにまず感謝をする。それが彼らの仕事だとしても、リスペクトを傾けることは大切だと思います。どのようにして人間同士として向き合ってもらえるかを考えていました。

