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旧村上ファンドが「地方銀行」「百貨店」の株を大量に買ったワケ…多くの投資家が見落としている「日本株」に眠る本当の価値【ゴールドマンサックス出身の投資家が解説】

旧村上ファンドが「地方銀行」「百貨店」の株を大量に買ったワケ…多くの投資家が見落としている「日本株」に眠る本当の価値【ゴールドマンサックス出身の投資家が解説】

旧村上ファンドが「終わった産業の株」を大量に買い進める理由

この新しい投資環境で、最もクレバーに立ち回っているプレイヤーは誰か。その一人が、かつて「物言う株主」として市場を席巻した、村上ファンドだ。

メディアが作り上げた「ハゲタカ」というイメージに惑わされてはならない。我々が学ぶべきは、彼らの投資行動の根底にある、極めて冷静で、そしてバリュー投資の王道そのものと言える、純粋な「価値変換」の思考法だ。

彼らは、なぜ今、「終わった産業」と見なされている地方銀行や百貨店の株を、静かに、しかし大量に売買しているのか。その行動を分析することは、我々が2速ギアで実践すべき「市場の常識を疑い、沈んだ価値を発見する」という思考法を学ぶための、最高のケーススタディとなる。

1.「地方銀行」は“盤石な資産”の宝庫

人口減少と超低金利。構造的な逆風に晒され、多くの地方銀行のPBRは0.1〜0.2倍という、極端な低水準で放置されていた。市場の誰もが、「地方銀行に未来はない」と見放していたのだ。

しかし、バリュー投資家は違う見方をする。彼らは、銀行が持つ貸出債権や有価証券、不動産といった、盤石な「資産」に着目した。そして、PBR改善という強力な追い風があれば、これらの銀行は株主還元(増配や自社株買い)を強化せざるを得なくなり、株価は必然的に再評価される、と読んだのだ。

2.斜陽産業であるはずの「高島屋」が抱える「不動産の含み益」

百貨店は、誰もが認める「斜陽産業」だ。しかし、旧村上ファンド系は、高島屋の株を買い進めた。なぜか?

彼らが見ていたのは、日々の売上ではない。高島屋が都心の一等地に保有する、帳簿価格と時価との間に巨大なギャップがある「不動産の含み益」だ。PBRが1倍を割り込んでいるということは、その莫大な不動産価値が、株価に全く反映されていないことを意味する。これもまた、典型的な「価値のズレ」なのである。

「村上ファンド」から学ぶべき「3つ」の教訓

これらの事例から、我々が学ぶべき教訓は明確だ。

太字業界の先入観を疑え

「銀行は終わった」「百貨店は斜陽」という、市場のコンセンサスを鵜のみにするな。

資産の真の価値を見抜け

帳簿の数字だけでなく、その裏に隠された「含み益」を評価しろ。

変革の「触媒」を見極めろ

東証の要請のような、眠っている価値を呼び覚ます「きっかけ」は何かを見抜け。

重要なのは、彼らが行っている分析の多くが、『会社四季報』や「EDINET」といった、我々個人投資家でもアクセスできる公開情報に基づいているという事実だ。

市場が恐怖や悲観に支配されている時こそ、冷静に「価値のズレ」に投資する。これこそが、時代を超えて通用するバリュー投資の王道なのである。

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