“参観日の嘘”も語り合える友達が、僕の居場所

上阪:
いいなぁ(笑)。僕はやっぱり家族もそうですが、今は友達ですかね。うちの母はシングルマザーで、周りには同じような境遇の友達が結構いるんです。
僕、小学生の頃に授業参観の日に自分家だけ親が来ないのを「お父さんは仕事で来ない」って嘘ついたことがあるんです。そんな話も曝け出して笑ったり、語り合える友達が高校になったらできました。友達は過去の話をしても否定的なことを言わないんですよね、受け止めてくれるというか。だから辛いと思った話や本音を話すと前向きな気持ちになれる。友達が僕の“居場所”です。
一ノ瀬:
友達とはどうやって遊んでる?
上阪:
僕は学生でいられる間は学生らしいことがしたくって、なんというかジブリ作品に出てくるような学生に憧れがあるんですよね。
一ノ瀬:
ジブリの学生!?
上阪:
そうです、だから学校が終わったら自転車で河川敷に行ってみんなで裸足でサッカーして、そのあとパンツ一枚で川に入ったり、木登りしたり。僕は「晴れてるし、外で遊ぼうぜ」ってタイプなので、そういう友達が多いですね。
一ノ瀬:
東京で! え、じゃあ家でネットゲームに集合するような子たちはいない?
上阪:
います、います!
一ノ瀬:
それでも外に行く上阪くん、健康だね!
上阪:
はい(笑)。でも最近、都内ではそうやって遊べる場所も減ってきているんですよね、公園ではボール遊びが禁止されたりして……。
答えは出ない作品だからこそ、観た人に『どうだった?』と聞いてみたい

それぞれの居場所について語る表情からは、劇中の役柄とはまた違うお二人の一面がのぞく。
では最後に、改めて映画『四月の余白』を観る人に対して思うこと、伝えたいメッセージとは?
上阪:
僕はこの作品を通して、海斗のような人のことを観る人や社会がどう考え、受け止めるのかがとても気になりますね。僕自身は人間誰しも、生まれながらに悪い奴なんてそうそういないと思っています。だから海斗もたったひとりで勝手に暴力的になってしまったのではなく、何かしらの環境やきっかけがあるんじゃないかと思ってしまう。そんな部分も含めて、この作品を観たあとに自分にとって「人は変われるのか」とか、キャッチコピーにもなっている「救えないが、見捨てない。」という言葉の意味はどういうことだろうと考えてもらえたら嬉しいです。

一ノ瀬:
そもそも難しいテーマを切り取った作品ですし、海斗が変われたかどうかも含めて、答えは提示されません。だからこそ、この作品をどう受け取るかは観る人次第なんです。ハッピーエンドと思うかバッドエンドと思うか、それすら変わってくると思うからこそ、僕も観た人に「どうだった?」って聞いてみたいです(笑)。
【一ノ瀬ワタル】

1985年佐賀県生まれ。2009年『クローズZERO Ⅱ』で俳優デビュー。『サンクチュアリ -聖域-』(23/Netflix)で演じた破天荒な力士役で世界を席巻。ドラマ『対岸の家事〜これが、私の生きる道!〜』(25/TBS)、『イクサガミ』(25/Netflix)、『インフォーマ』(25/ABEMA)、映画『炎上』(26)などに出演。
【上阪隼人】

2007年東京生まれ。中学二年生の頃より俳優活動をスタート。映画、ドラマ、広告やミュージックビデオなどで経験を積み、今作はオーディションを経て澤海斗役に抜擢された。映画『違国日記』(24)、『雑魚どもよ、大志を抱け!』(23)などに出演。
映画『四月の余白』
元半グレで元受刑者の過去を背負う西健吾(一ノ瀬ワタル)は、地方都市で全寮制更生施設「みらいの里」を運営していた。ある日、そこに人の痛みが分からず、常識なども通用しない暴力性を持つ少年・澤海斗(上阪隼人)がやって来る。
監督・脚本:吉田恵輔
音楽:世武裕子
出演:一ノ瀬ワタル、夏帆、上阪隼人、篠原 篤、占部房子、山﨑七海、和田 庵、髙田万作、松木大輔、小沢まゆ、パトリック・ハーラン、他●6月26日(金)新宿ピカデリーほか全国公開
公式サイト:https://shigatsu-yohaku.com/
公式X:@shigatu_yohaku
© 2026 N.R.E.
※吉田恵輔監督の「吉」は、正しくは「つちよし」
文:松倉和華子
撮影:小嶋淑子
スタイリスト:伊賀大介(一ノ瀬)、SHIKI(上阪)
ヘアメイク:星野加奈子(一ノ瀬)、尾口佳奈(上阪)
衣装:
【一ノ瀬】
パンツ/WAROBE(03-3868-0925)
シャツ・靴/スタイリスト私物
【上阪】
セットアップ/Re’all(Instagram)

