歌手のGACKTさんが、東南アジアを「安い」と思い込む日本人に警鐘を鳴らし、ネット上で議論を呼んでいる。

「日本より物価の安い国はほぼない」といった発言をしていたが、実際はどうなのか。
「日本の経済は、本当にびっくりするぐらい落ちている」
GACKTさんは2026年6月13日、自身のYouTubeチャンネルで「日本人は、これ一番イケてない感覚なんだけど、東南アジアの人たちを下に見ている傾向がある。物価が安いものだとも思っている」と切り出し、
「でも実際に行ったら分かる。もう日本よりも物価の安い国はほぼない」
と語った。
自身が拠点にしているマレーシアの物価は「まだマシな方」だそうだが、
「他の国とかはすごく物価が高い。もう台湾なんてえぐい。韓国も高い。シンガポールなんかはえげつない。タイなんかも高い」
日本人が「東南アジアだったら安いだろうな」という感覚で行けば、「えらい目に遭う」と警告した。
さらに海外在住者の視点から、次のような見解を示した。
「むしろ(東南アジアより)日本の方が安いぜっていう。日本の経済は、本当にびっくりするぐらい落ちているからね。日本だけに住んでいると、そこまで感じないかもしれないけど。海外に住んでいて外から日本を見ると、結構やばいなと思うからね」
これに対して、SNS上では「本当に日本は安くなった」という趣旨の賛同が相次いだ。
その一方で、現地在住者や旅慣れたバックパッカーなどからは「東南アジア全体が日本より高いわけではない」「さすがに言い過ぎでは」と疑問視する声も出ている。
「ビッグマック指数」日本と東南アジアを比べると
では本当に、東南アジアに日本より物価の安い国は「ほぼない」のだろうか。データで検証してみよう。
まず参考になるのが、英誌「エコノミスト」が考案した「ビッグマック指数」だ。マクドナルドのビッグマック価格をドル換算で比べることで、各国の購買力などの目安を測る指標として知られている。
2026年のデータでは、日本のビッグマックは3.03ドル(約490円)。これに対し、シンガポールは5.78ドル(約934円)、タイは4.30ドル(約695円)、韓国は3.74ドル(約605円)、マレーシアは3.39ドル(約548円)で、いずれも日本より高い。
一方で、ベトナムは2.89ドル(約467円)、フィリピンが2.84ドル(約459円)、インドネシアが2.52ドル(約407円)、台湾は2.47ドル(約399円)。ビッグマックの価格で見る限り、日本より安い国は複数ある。GACKTさんは台湾について「えぐい」と表現していたが、この指標ではむしろ安い部類に入る。
もっとも、ビッグマック指数は大まかな指標でしかない。国によってサイズや税率などが異なり、マクドナルドは地域によって「高級な外食」として高価格帯で扱われていることもある。さらに、価格競争や材料への補助金の有無によっても価格が変動する。