クチナシの名前の由来と花言葉

クチナシの花言葉は、「とても幸せです」「喜びを運ぶ」「洗練」「優雅」など。
「とても幸せです」は、欧米では女性をダンスパーティーに誘う時にクチナシの花を贈ることにちなんでいるとか。「喜びを運ぶ」は、甘い香りを漂わせるため。「洗練」「優雅」は、白い花の咲き姿に由来します。
開花後には実がついて秋に熟しますが、熟しても破れることがなく、「口を開かない」ために「口無し」という名前になったという説や、果実の先端の萼をくちばしに見立て、「クチバシを持った実」という意味からクチナシとなったという説もあります。さらに、「クチナワ(ヘビ)しか食べない果実」が転じて「クチナシ」になったという説もあるようです。
クチナシは漢字で「梔子」と表します。「梔」は果実を意味していて、「子」は実を意味します。「巵子」「山梔子」と表す場合もあります。
古くから利用されてきたクチナシ
染料や縁起物としての歴史的な利用

クチナシの実は、古くから黄色の染料として珍重され、衣料品や食品の着色に利用されてきました。「梔子色(くちなしいろ)」は、日本に古来より伝わる伝統色の一つでもあります。現在でも栗きんとんをはじめ、たくあんなどの着色用に使われています。
クチナシの黄色い色素は、「クロシン」というカロテノイド系の水溶性色素で、サフランにも含まれている色素です。また、クチナシは山梔子(さんしし)とよばれる漢方の生薬としても利用されてきました。主に消炎、鎮痛、解熱、利尿作用に効果があるとされ、内服薬として用いられたほか、打ち身や打撲などの外用薬にも用いられました。
クチナシは三大香木の1つ

クチナシは、ジンチョウゲやキンモクセイと並んで日本の三大香木とされています。これにロウバイを加えて四大香木とされることもあります。いずれも庭木として人気が高い樹木です。以下にそれぞれの開花期や特徴を簡単に紹介します。
ジンチョウゲ(沈丁花)

ジンチョウゲは、2月下旬~3月中旬に開花します。花弁の周囲に桃色の縁どりがあり、手毬のように小さな白い花を丸く密集して咲かせる常緑の低木です。上品な甘い香りを漂わせ、春の訪れを告げる花としても知られています。
ジンチョウゲの記事はこちらキンモクセイ(金木犀)

キンモクセイは、9月下旬〜10月上旬頃にオレンジ色の小さな花を咲かせる常緑広葉樹です。秋の訪れを告げる爽やかな甘い香りの花は食用にもなり、砂糖漬けやお茶などにも利用されています。また、香水やルームフレグランスとしても使われています。
キンモクセイの記事はこちらロウバイ(蝋梅)

ロウバイは、12月下旬~2月に半透明で蠟のような透明感のある黄色い花を咲かせる落葉低木です。甘い香りと梅に似た花からこの名が付いたとされますが、梅ではなくバラ科です。冬に咲く花として、ウメ、スイセン、ツバキと共に「雪中四友(せっちゅうしゆう)」のひとつでもあります。
ロウバイの記事はこちら将棋や囲碁での「口無し」

前述したように、クチナシは実が熟しても口を開かないことから「口無し」と言われ、これが花名の由来になったという説があります。将棋や碁の盤脚はクチナシの実を象っていますが、これは「勝負に一切の口出し無用」の意味を込めたものとされています。クチナシの実が盤脚に使われるようになったのは、江戸時代の、ある将棋の対局がきっかけだそうです。言い伝えによると、対局中、ほぼ勝負がついた場面で、観客の一人が「逆転可能」と口出しをしたことで形勢が逆転し、口出しをした観客は怒った敗者から首を切られた、とのことです。
