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友人に貸したお金、返ってこないのだが…簡易的な裁判制度「少額訴訟」で取り戻す、具体的な方法【司法書士が解説】

友人に貸したお金、返ってこないのだが…簡易的な裁判制度「少額訴訟」で取り戻す、具体的な方法【司法書士が解説】

少額訴訟を起こすための「事前準備」

ここからは、「貸したお金が返ってこない」というケースを想定し、実際に少額訴訟を起こす流れを説明していきましょう。

簡易な裁判といえども裁判手続きには変わりなく、様々な手段を尽くしたうえでの最終手段ですから、訴訟を起こす際には十分な準備をする必要があります。それにより、訴訟の結果も大きく違ってきます。

1. 必要となる証拠を揃えておく

お金の貸し借りについて、口約束だけでは裁判で立証することが難しくなります。最低限、次のような証拠はまとめておく必要があります。これらの資料が裁判官が事実を認定する際の重要な材料になります。

●借用書

●振込明細(振込明細・ネットバンキングの画面)

●LINEやメールのやり取り(「お金を貸してほしい」「〇月までに返す」などの文言)

●返済期限に関する記録

2. 内容証明郵便を送る

次に有効なのが内容証明郵便の送付です。これを送ることによって見込める効果は3つあります。

効果1:返済期限と金額の正式な通知ができる

→ 「いつまでに返す」といった具体的な約束がなかった場合、「まだ返済期日ではない」等の反論をされる可能性があります。そこで、内容証明郵便を送ることによって督促をし、正式に返済期限を設けることで、「それでも返却されない」「債務不履行に陥っている」という事実を明確に示すことができます。

効果2:「法的手続きの意思」を伝えることでプレッシャーになる

→ 内容証明郵便を送ることで、法的手続きを取る意思が相手に伝わりプレッシャーとなり、この段階でお金が返ってくるケースも少なくありません。

効果3:裁判になったときの強力な証拠になる

→ 正式な督促を行った事実を示す資料となり、裁判においても重要な証拠となります。

3. 相手の現状・支払い能力を確認しておく

たとえ裁判で勝っても、相手に支払い能力がなければお金は回収できません。したがって、こちらが勝った際に回収できるだけのお金や支払い能力が相手にあるか、判断する必要があります。

確認すべき事項として、下記が挙げられます。

●勤務先はあるか

●財産はあるか

●連絡は取れるか

●転職や夜逃げの可能性はないか

逆に言うと、これらの点を把握しておかないと、せっかく手にした勝訴判決から何のメリットも得られないという事態になりかねません。

少額訴訟を起こすための実際の流れ

では、事前の準備がすんだあとの、実際の手続きの流れを見ていきましょう。

◆訴訟準備から当日まで

実際に少額訴訟を起こす場合、まず「訴状」を作成する必要があります。少額訴訟の訴状は裁判所のホームページからダウンロードができます。貸したお金の請求以外にも、交通事故の被害請求、売買代金の未払い、敷金返還など、訴訟内容に応じた訴状の記載例がホームページに掲載されているため、それを参考に記載しましょう。

貸したお金を請求する場合の訴状には、下記の内容を明記します。

●いつ貸したのか

●いくら貸したのか

●返済期限はいつだったのか(なかった場合は催告をしたのか)

●申し立ての理由(返済されないのか、借りたこと自体を争っているのか、満額返されていないのか等)

●返してもらえなかった経緯

訴状や証拠となる文書(証書)が準備できたら、相手の住所地を管轄する簡易裁判所へ提出します。また、書面で直接提出するのではなく、「民事裁判書類電子提出システム(mints(ミンツ))」を利用した電子申し立ても可能です。

その後、裁判所から期日の呼出状が届くため、指定された日に出廷します。

先述した通り、少額訴訟は原則1回で審理が終わるため、その日のうちに判決まで進むケースが多いです。裁判官からの質問も非常にシンプルで、審理時間も5分から20分程度と比較的短時間で終わります。

相手が欠席した場合や、こちらの主張と証拠に矛盾がなければ、勝訴できる可能性は高いといえます。

◆判決後の注意点…「勝訴=自動的にお金が返ってくる」ではない!

判決後、注意が必要なのが「勝訴=自動的にお金が返ってくる」わけではない、という点です。もし相手が支払わなかった場合、強制執行を行うことができるか否かが非常に重要です。

強制執行による差し押えとして、給与の差し押さえ、銀行口座の差し押さえ、動産の差し押さえ等がありますが、これらを行うには、相手の勤務先情報や銀行口座情報が必要です。

口座情報等がわからなくても財産開示の制度を利用することはできますが、この手続きにも費用がかかります。相手に財産がなくてお金がとれず、裁判手続き費用だけかかってしまった…という事態になりかねません。

つまり、相手の収入や財産の情報を把握していなければ、勝訴してもお金が回収できない可能性があるのです。

そのため、「回収できるか」という視点で考えることが大切なのです。

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