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「幸楽苑」と「餃子の王将」あえての“値下げ”で分かれた明暗。ラーメン1000円時代に“490円を堅持”で好調のワケ

「幸楽苑」と「餃子の王将」あえての“値下げ”で分かれた明暗。ラーメン1000円時代に“490円を堅持”で好調のワケ

◆泥臭いオペレーションで集客力を高める狙い

餃子の王将は、客数と売上減の対策として、顧客のタイムパフォーマンスの向上を実感してもらう店舗づくりを進めるといいます。具体的には、調理工程の見直し、仕込み作業の効率化、ウェイティング時の先行注文、会計動線の見直しなどです。

これはつまり、美味しい料理を迅速に提供、顧客がストレスなく会計までをスムーズに済ませられるようにし、満足度向上を図るということ。リピーターを獲得して来店頻度を高めるためには、料理の美味しさを担保しつつ店内での体験満足度を高める必要があります。そのためには、餃子の王将のように泥臭いオペレーション改善が欠かせません。

客数減に陥った際の常套句として、マーケティング施策の強化、DX化による顧客体験の向上などという美辞麗句で、その場をやり過ごそうとするケースを稀に見かけます。結局は具体的な手を打てずに時間だけが経過してしまうこともあります。餃子の王将は正確に課題認識をし、集客力を高めようという強い意気込みも感じとることができます。

餃子の王将は客数が好調だったころ、「ぎょうざ倶楽部」という会員サービスがメディアで取り沙汰されました。しかし、今になって客数減に悩まされているのです。マーケティング施策は一定の効果はありますが、顧客体験の向上がリピーター作りの本質。餃子の王将に限らず、高価格帯へと移行したラーメンチェーンは店舗オペレーションの改善など、見えづらい領域のブラッシュアップが必要な時代に入るでしょう。

◆自動調理ロボットが変える店舗運営

低価格帯のラーメン店は、少ない人材で店舗を高稼働させる体制づくりが欠かせなくなります。優れた人材を獲得して定着率を高め、スペシャリスト人材を育成。一方で、店舗の徹底的な省人化を図らなければなりません。飲食店においては、高騰する人件費が利益を下押しする主要因になっており、人材不足が最大の経営課題になりつつあるからです。

特に低単価の店舗は、多くの客を捌かなけないために多忙で、スタッフ定着率が低くなりがち。利益が出づらいこともあって、賃金水準も低く従業員の士気が上がらないということもあり得ます。

しかし、幸楽苑は一般職からエリアマネージャークラスの平均賃金を5.1%引き上げ、新店舗やリニューアル店舗の店長へのインセンティブ制度を導入しました。改善提案などを行なった従業員に対してもレポートインセンティブを支給するなど、従業員のモチベーションを高める施策を強化しています。

こうした取り組みが奏功し、離職率は7.6%。業界の平均的な水準は25%程度であり、低く抑えることに成功しています。幸楽苑の離職率はかつて業界平均と近いところにあり、強化策が効果を発揮しているようです。

オペレーション改善に向け、自動調理ロボット「I-Robo2」も導入。このロボットはチャーハンや野菜炒めなどを自動で行うもので、直感的な操作で運用することができます。レジの自動化や配膳ロボットは多くの店舗ですでに導入されています。今後は調理などのオペレーションの自動化が進むでしょう。特に幸楽苑のような低価格帯の店舗での導入が進むものと考えられます。

<TEXT/不破聡>

【不破聡】
フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界
配信元: 日刊SPA!

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